テトロドトキシンの構造式を模したイヤリングがSNS上で大きな注目を集めている。きっかけになったのはしがけんさん(@utukaiwainodoem)が投稿した実際の装用写真。
テトロドトキシンと言えばフグなどが持つ致死性の猛毒だが、その構造式をイヤリングにとなると、なんとも言えない遊び心が感じられ、かつ美しい。
しがけんさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「痺れるくらい魅力的な女ってことですかね?」
「クロロベンゼンとか作りやすそう」
「ニトログリセリンだったら逃げてた」
「美しい人には毒があるとでも?怖いな、」
など数々の絶賛のコメントが寄せられている。しがけんさんにお話をうかがった。
ーーこのイヤリングを見つけた際のシチュエーションとご感想をお聞かせください。
しがけん:このイヤリングの存在は、2、3年前にTwitterのタイムラインで知りました。
有機化合物の構造式をそのまま用いる奇抜さと、複雑でありながら繊細さを兼ね備えたデザインに一目惚れし、是非手に入れたいと思いました。そして昨年9月に開催された「博物ふぇすてぃばる!」というイベントでようやく購入することができました。
◇ ◇
このイヤリングの正式名称は「テトロドトキシン(フグ毒)イヤリング」。作成者の燈屋さん(@akariyacustomer)にもお話をうかがった。
ーーこのイヤリングの着想をお聞かせください。
橙屋:私は天然毒や医薬品のアクセサリーを作成しているのですが、フグ毒の化学構造式アクセサリーは、もともと「アクアリウムバス」という生き物系のイベントに出展した際に、初めて制作したものです。このイベントには大変ハイレベルな生き物好きの参加者も多く集まりますため、人とは違うエッジの効いたアクセサリーも喜んでもらえるのではと思い立って制作しました。過去に、フグの調理師免許の受験守りとしてお買い求めいただいたお客様もいらっしゃいました。
ーー製作に当たりこだわったこと、苦労したことなどお聞かせください。
橙屋:天然の毒物の化学構造式は複雑で面白い形をしており美しいのですが、イヤリングやピアスにするには耐久性も必要になります。化学構造式の線や文字の太さなどを変えて何度も試作し、審美性と耐久性が両立する形状を模索しました。あわせて、取り付けるチャーム(クリスタルなどのワンポイントデザイン)の位置についても、どこに着けると耳から下げた際に綺麗に見えるかを試作しながら決めております。
ーー発表以後の反響についてご感想をお聞かせください。
橙屋:今回、しがけん様がご着用写真をツイートされたことで、私どもの作品を大変多くの方にご覧いただくことができました。お客様には、私の作品をご愛顧いただき、またご着用ツイートをしていただきましたこと、深く感謝申し上げたいと思います。おかげさまで多くの皆様に、テトロドトキシンの化学構造式の美しさをご覧いただき、天然毒にご興味、ご関心を持っていただきましたことを嬉しく感じております。また今回、多く反響がございましたことも踏まえ、新たな"毒物"を世に生み出してまいりたいと考えております。
◇ ◇
「テトロドトキシン(フグ毒)イヤリング」は橙屋さんのウェブショップや出展イベントで購入可能。同デザインのピアスもあるのでご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
なお今回の話題を提供してくれたしがけんさんは所属する「理科大ものづくり同好会」(@rikadai_fab)で多面体を編んだ簪(かんざし)などの作品を発表している。
独特の美意識が感じられる佳作ばかりなので、こちらもご興味のある方はぜひ要チェックだ。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)
あわせて読みたい
話題
-
「79歳のパートさん」「80歳の応募者も」 人手不足で広がる高齢者の働く場 75歳以上の就業率はこの10年で増加
-
手編みのブックカバー「それはどういう意図の配色?」→リプ欄にいろんな「考察」が殺到!答えは…
-
「ふうちゃんおいでー」→まさかのスルー!? 1歳娘とのやり取りを“連絡帳に実況”した父の記録に妻は爆笑「明日もよろしくお願いします」
-
実家の押し入れで発見!昭和レトロな箱に眠っていたのは40年前の……母から娘へ受けつがれた“時を超える糸”に「素敵なお話」
-
「空き家取り壊しで行き場を失った猫」を保護 11日後に触らせてくれた!……SNSで広がる感動の輪
-
ワンオペで満席、必死のカフェ店主が見つけたお客の“置き手紙” 丁寧な感謝の言葉に「泣けてくる…」
-
葬儀の「平服でお越しください」何を着るのが正解? 平服=私服OKではありません【葬儀社が解説】
-
台風前夜、ゴミ捨て場で震えていた小さな子猫 「放っておくと命を落とす」と抱き上げた夜から始まった、かけがえのない家族の物語
-
「お昼の予算、ひとり1000円」スーパーで何を選ぶ?父と息子たち3人のチョイスの違いが話題に
-
捨てられていた子猫を迎え入れると…大変身! 13歳になった大食いの“かぎしっぽ”が家族に運んだ幸せ