第6部 慟哭のホラン河~満州開拓団集団自決~
中国東北部の旧満州と内蒙古は戦前、「日本の生命線」と呼ばれた。貧困にあえぐ国内の農村救済と旧ソ連からの防衛などを掲げ、国策として農業移民が進められた結果、全国から約27万人が海を渡った。終戦直前の1945(昭和20)年8月9日、旧ソ連軍が侵攻。過酷な逃避行の中で数々の悲劇が起きる。その一つが、但馬から入植した高橋村(豊岡市但東町)開拓団の集団自決である。大人、子ども合わせて298人が、ホラン河に身を投じて亡くなった。シリーズ「戦争と人間」第6部は、悲劇から生き残った石坪馨(かおる)さん(85)と山下幸雄さん(81)の語りを届ける。