新ひょうごの医療
心臓は、収縮と拡張を繰り返し、ポンプのように血液を全身と肺に送っている。四つの部屋があり、血液の流れを一方向に保つため、右心室と左心室の各出入り口計4カ所に弁がある。これが開ききらなかったり(狭窄(きょうさく))、閉じきらなかったり(閉鎖不全)といった病気が「心臓弁膜症」だ。
先天的なものや、病気の後遺症など、原因はさまざまあるが、近年では加齢に伴う組織の硬化が影響している患者が多い。毎日10万回拍動するたび、弁は血液の圧力でしなって開閉するが、高齢になると不具合が生じやすくなる。最も多い大動脈弁狭窄症は、75歳以上の1割強が罹患(りかん)しているというデータもある。
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。
- 心臓弁膜症のカテーテル手術
2020/9/5~2020/9/5
日本人の死因で、がんに次いで多い心疾患。中でも近年増加傾向が顕著なのが、「心臓弁膜症」だ。高齢化に伴い、組織が硬くなるなどして弁の開閉に問題が生じ、心不全などに至る患者が増えているという。少し前までは胸を切開して心臓を一時的に止める「開胸手術」しかなく、負担の重さから断念する高齢者も多かった。しかしカテーテル(柔らかく細い管)を使った新しい手法だと、心臓を止める必要はなく短時間で終わるため、特に高齢者では主流になりつつある治療法だ。(霍見真一郎)

