新ひょうごの医療

血液から体温を下げる機械を説明する神戸大病院の小谷穣治教授=神戸市中央区楠町7
ある暑い日、神戸大病院に、自宅でぐったりと倒れていた高齢女性が救急搬送されてきた。体温は42度。意識障害があったが頭部の出血はなく、熱中症が疑われた。扇風機で体表を冷やしながら、体幹の太い血管内に風船(バルーン)を入れ、そこに冷たい水を流して血液を一気に冷やし、一命を取り留めた。
3次救急医療機関である同病院には、こういった重篤な熱中症患者が運ばれてくる。「処置が早ければ、スカッと治るのが熱中症の特徴」と小谷教授。搬送時に意識がなくても翌日元気にご飯を食べている人もいるという。
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- コロナ禍を生きる 熱中症を防ぐ
2021/7/11~2021/7/11
新型コロナウイルス禍の2度目の夏を迎え、熱中症が懸念される。マスク着用で運動すると熱がこもりやすく危険なため、兵庫県内の各教育委員会は、登校時や体育でマスクを原則外すよう指導を強化している。だが、日常生活の中ではマスク着用が習慣化されている上、発熱すると、熱中症とコロナの区別がつきにくい。神戸大病院(神戸市中央区)で救命救急センター長を務める小谷穣治教授(61)に熱中症対応について聞いた。(霍見真一郎)

