■要、不要、中間 三つに分けて
生前整理をしようと張り切っても、思い入れがある物を見ると手が止まってしまいがち。「小さな物も、『邪魔にならない』『高価だから』といって置いておくと、段ボール1箱分の不要品になってしまう」。遺品整理士の僧侶、宇仁菅真志さんが、効率的な整理方法を説明する。
必要か不要かを決める時間は3秒以内に。悩む時間が長いと、捨てられなくなるという。どうしても決めかねるときのために「中間」を設定し、そこに置いた物は、後ほどもう一度選択作業をする。判断基準の一つが使用頻度だ。1年以上使っていない物は「不要」に仕分ける。
使わなくなった家電製品は、リサイクルショップで売ることを勧める。「新しければ意外な値が付き、老後の資金が増えるかも」と宇仁菅さん。趣味のコレクションを売却する際はインターネットも活用する。
処分の際は、売却する物は段ボール、かさばる布団などは大型の紙袋、割れ物はがら袋というように、用途別に収納を分けるとよい。
整理作業を代行するサービス業者もある。本人に立ち会ってもらいながら効率的に不要品を選び、仕分けして梱包(こんぽう)する。価格の目安は2DKの住宅で10万~15万円、4LDKで20万~30万円。家の状況や荷物の量などによって変わる。
生前整理は物の片付けだけではない。宇仁菅さんは「葬式や墓、介護、医療など幅広い準備が必要です」と呼び掛けている。(本田純一)
2019/1/16