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全競技を通じて日本男子史上最年少の五輪出場と、飛び込み日本勢初のメダルを目指す玉井陸斗(撮影・辰巳直之)
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全競技を通じて日本男子史上最年少の五輪出場と、飛び込み日本勢初のメダルを目指す玉井陸斗(撮影・辰巳直之)
東京五輪でメダルが期待される玉井陸斗
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東京五輪でメダルが期待される玉井陸斗

 2020年東京五輪の開幕まで24日で半年。金メダル30個を目標に掲げる日本は、飛び込みなどで活躍が期待されるホープが五輪に向け邁進(まいしん)する。日本はホスト国として本番に向けた態勢整備に一層、力を注いでいる。

【13歳玉井、最年少出場へ隙なし】

 今や日本飛び込み界のエースだ。兵庫県宝塚市立高司中1年の玉井陸斗(JSS宝塚)は、小学校を卒業したばかりの昨春にシニアの日本室内選手権を制するなど、男子高飛び込みで最年少優勝記録を次々に更新。今夏の東京では全競技を通じて日本男子史上最年少の五輪出場と、飛び込み日本勢初のメダルを目指す。13歳のすごみを、本人や周囲の証言からひもとく。

■「この子はやばい」

 「この子は普通じゃない。オリンピックに行くだけでなく、メダルを取る選手になる」

 本場中国出身で、JSS宝塚で教える馬淵崇英コーチは玉井との出会いに衝撃を受けた。

 宝塚市立高司小5年で高飛び込みを始めた少年を、馬淵コーチは振り返る。「堂々としている。10メートルの高さだと、恐怖から力が抜ける子もいるが、彼はパッとやる。飛んだ後、また淡々と続ける」

 同じJSS宝塚で練習し、東京大会で6度目の五輪出場となる39歳の寺内健(ミキハウス、宝塚市出身)は「この子はやばいなと。競技を始めたばかりでこんなことができるのか、というクオリティーだった」。5年生で後ろ宙返り3回半えび型(207B)など、高難度の技をこなした玉井自身も「試合で決めたら高得点が出る。オリンピックも近いんじゃないかと思っていた」と既に手応えを得ていた。

■優勝記録次々更新

 玉井が「人生が変わった」と振り返る2019年。4月の日本室内選手権と9月の日本選手権で初出場優勝を飾ると、「五輪のリハーサル」と位置付けた11月のグランプリ・マレーシア、シンガポールの両大会で2位。「しっかり自分のすべきことができ、目標のメダルをかなえられた。自信がついた」とうなずく。

 馬淵コーチは「これだけきれいに飛べる選手は中国にもなかなかいない。飛び込みに必要な条件がそろっている」と評する。台から飛び出すジャンプ力、回転力、空中感覚の良さ。148センチ、41キロの体はボールのように丸まり、高速で宙を回る。

 さらにコーチが高く買うのが性格だ。「こちらが追い詰めなくても、自ら努力する。すぐに気が緩む選手は多いが、彼は違う」と説明し、こう言い切った。「メダル争いをする精神力は、トップ選手に並ぶ」

■メダル第1号目標

 練習の過酷さが、本人の「ロケット成長」(馬淵コーチ)を支えている。合宿では朝7時から肋木(ろくぼく)にぶら下がり、足を上げる動作を繰り返す。両足には計1キロの重り付き。体幹を鍛える大切な練習だが「朝からきついな、と思った」と玉井もつい本音を漏らすほど。中学1年生の腹筋は、彫刻のようにきれいに割れている。

 放課後に友達が遊ぶのをうらやましいと思うこともあるが、「練習も大事なんで」。けがを避けるため普段から自転車に乗らず、授業では球技に参加しない徹底ぶりだ。

 2月に東京である選考会を経て、4月のワールドカップ(W杯)東京大会で18位以内に入れば五輪切符が舞い込む。「オリンピックに(日本男子で)最年少出場をして、世界のトップ選手と争えるような演技をする。飛び込みのメダル第1号になりたい」と意志は固まっている。(藤村有希子)

【たまい・りくと】2006年9月11日、兵庫県宝塚市生まれ。高司小1年で飛び込みを始め、5年から高飛び込みに挑戦。自身初の国際大会だった昨年6月のグランプリ・スペイン大会では4位。宝塚市立高司中1年、JSS宝塚。

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