
1月上旬に愛知県で行われたバスケットボールのU15ジャパンクラブゲームで、神戸を拠点とするセンターサークルが男女とも初出場し、男子はベスト4と躍進した。創部2年目ながら、兵庫県選抜経験者ら有望な中学生たちが奮闘。全国舞台で大きな自信を得た。(藤村有希子)
チームは2018年春に発足。育英高OBの岸慎一郎ヘッドコーチが一人娘の岸あかり女子主将(神戸市立小部中)と親子でバスケットをし始めたのがきっかけで、徐々に友人らも加わって練習会を開くようになった。
19年度からは兵庫県協会にチーム登録。今では神戸をはじめ尼崎、姫路、淡路島など県内各地の男女計約80人が、育英高や舞子高で週5日練習する。学校の部活動と両立させている選手が多い。
今大会で男子は4強入りした。石井洸太朗主将(神戸市立大原中)や、U12ナショナル育成キャンプにも参加した松岡颯汰(神戸市立舞子中)ら県選抜組がそろい、準々決勝では全国屈指の難敵コンフィアンサ東京と対戦。全員でリバウンドに飛び込みつつ、激しい守備を振り切って外角シュートを果敢に放ち、84-78で粘り勝った。
準決勝では滋賀のチームに延長の末、1点差で敗れたが「できたばかりのチームで強豪を撃破し、ベスト4に入ったのは自信になった」と石井主将。ベストシューター賞に溝上恵大(淡路市立北淡中)、ベスト7には上野颯斗(神戸市立塩屋中)が選ばれた。
女子は各組3チームで争う予選リーグで敗退したが、その後5位入賞することになる群馬の有力チームとは引き分け、岸主将は「自分たちもその(全国5位の)実力がある」と手応えを得た。
チームでは「当たり前のことを当たり前にできる選手になろう」をスローガンに、基本動作を徹底して磨いている。さらに「選手同士の否定し合いは禁止」と掲げ、コートでは「ナイス」「ありがとう」など前向きな言葉が飛び交う。一丸となった選手たちは、「人でつくる輪」の意味が込められたチーム名の下、ひのき舞台で存在感を示した。
