
ボクシングの女子世界選手権ライトフライ級で2度銅メダルに輝いた和田まどか(福井県スポーツ協会、兵庫・芦屋大出)が、4月から真正ジム(神戸市東灘区)でトレーナーを務めている。昨秋には東京五輪への道が断たれ、引退も頭をよぎったが「国内でもう一度、1番になる」と踏みとどまった。
横浜市出身の25歳。右フックが武器のサウスポーは、2014年に日本女子初の世界選手権メダリストとなり、18年にも銅メダルをつかんだ。
実績を重ね、自国開催の五輪に向けて活躍が期待されていたが、昨年10月、全日本女子選手権のフライ級決勝で小差の判定負け。五輪予選の日本代表決定戦への出場を逃した。
「心にぽっかり穴があいて。競技を続けるかどうか3~4カ月間、悩んだ」。ランニングもしない日が続いたが、ボクシングへの情熱は消えず「国体や全日本で1番になってからやめる」と決心した。
現在も母校の芦屋大に拠点を置く一方、今春からは、かねてより交流のあった真正ジムの山下正人会長の依頼に応じ、女子選手の練習をサポートする。基礎を教えるうちに「自分はできているのか、と考えるようになった。競技の原点に戻ることができる」。新鮮な感覚を胸に、第一人者はさらなるステップを踏む。(藤村有希子)
