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フィギュアスケート元五輪代表の平松純子さん。東京五輪招致にも力を注いだ=神戸市東灘区
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フィギュアスケート元五輪代表の平松純子さん。東京五輪招致にも力を注いだ=神戸市東灘区

 新型コロナウイルスが世界中のスポーツを奪った。影響は五輪を目指すトップ選手から小さい子どもたちまで広がり、我慢の日々が続いている。冬季五輪に2度出場した元フィギュアスケート選手で、国際スケート連盟名誉委員の平松純子さん(77)は競技の裾野の状況を心配しつつ、「試練を乗り越えた力は、必ず花開く時が来るはず」と呼び掛ける。(聞き手・山本哲志)

 -今は全世界でスポーツが止まった状態だ。

 「東京五輪・パラリンピックが1年延期され、現地(カナダ)まで行くつもりにしていたフィギュアスケートの世界選手権が中止になった。全国や兵庫県の小さい大会までなくなっているから、新聞のスポーツ欄を読んでも寂しいですね」

 -選手たちの精神面が懸念される。

 「アスリートにとって1年はすごく大きい。大会に向けて頑張る気持ちはよく分かるだけに、本当につらいと思う。母(故上野衣子さん)は、戦争で中止になった1940年札幌五輪の“幻の代表選手”だった。直接聞いてはいないけれど、無念さや思い残しが私にスケートをさせた理由だと思う。執念を感じるほど厳しい先生でした」

 -長引けば経済的な悪影響も。

 「所属企業がスポンサーをやめてしまうことがあるかもしれない。親の収入が減って競技を続けられなくなる子どもも出ないか心配。底辺を維持するためにも、スポーツ界全体がサポートして活気づけていかないと」

 -選手はこの時期をどう過ごすべきか。

 「まずウイルスにかからないことが一番。その上で、受け身にならずに自ら考えて練習することではないでしょうか。スケートならば、例年新しいプログラムをつくっている時期。氷に乗れない中、次のシーズンの準備ができないのはとても大変。でも、滑れなくてもイメージトレーニングはベッドでもできる」

 -確かに外出自粛で家にいる時間が長い。

 「けがのリハビリ期間と捉えてみてもいいかもしれない。だいぶ昔になるが、『みどりちゃん』(アルベールビル冬季五輪銀メダリストの伊藤みどりさん)は現役時代、自分の練習が終わってからも貪欲に他の選手の練習を見ていた。普段は自分がやることで精いっぱいだと思うけれど、(映像などで)見るのも勉強。何となく流されず、この時間を生かせるか」

 -再び競い合える日が待ち遠しい。

 「誰もが先の見えない不安を感じている。阪神・淡路大震災や東日本大震災の後のように、苦しい時こそスポーツの力で元気づけられる面はあると思うのに、それができないのが悲しい。でも、日本中や世界中がつながり合いながら耐えた思いは、いつか解き放たれる時が来る。みんな一気に爆発して明るくしてくれるはずです」

【ひらまつ・じゅんこ】1942年、兵庫県西宮市生まれ。甲南小4年でスケートを始める。関学大出。全日本フィギュアスケート選手権で優勝5度。60年スコーバレー、64年インスブルック両冬季五輪代表。引退後は国際審判員や国際連盟理事、日本オリンピック委員会理事などを歴任した。2017年旭日小綬章を受章。現兵庫県体育協会副会長。18年平昌(ピョンチャン)冬季五輪では、スピードスケート女子500メートルで優勝した小平奈緒にプレゼンターとして金メダルを授与した。神戸市東灘区在住。

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