
サッカーJリーグ1部(J1)ヴィッセル神戸のFW田中順也選手(32)が6日、自身のファッションブランド「CÉUEU(セウエウ)」で布マスクを販売したところ、即日完売した。新型コロナウイルスの感染拡大で多忙を極める医療従事者を支援しようと、売り上げから経費を除いた全額を、神戸市の「こうべ医療者応援ファンド」に寄付すると発表していた。5月中旬にも第2弾の発売を計画しているという。
神戸で4季目を迎えた田中選手は昨年8月、妻でモデルの宇井愛美さんとセウエウを立ち上げた。洋服にとどまらず、サングラスや靴なども販売している。
布マスクは生産者仲間に製造を委託。菌が付きにくい加工が施され、抗菌効果は50回洗濯しても続くという。ひも部分は長さを調節でき、顔のサイズに合わせることができる。
田中選手は「昼夜を問わず働いている方々への社会貢献。目に見える寄付が一番の激励になると思う」と話している。
完売したマスクはライトブルーとピンクの2色で、3枚セット2千円(税別)だった。追加販売を予定するのはライトグリーンとイエローの2種類で、予約方法などはセウエウの公式サイト(https://ceueu.jp/)で案内する。
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布マスクの販売について、テレビ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を通じて報道陣に説明した田中選手。チームの現状などについても心境を明かした。
新型コロナウイルスの感染を巡っては、3月30日に同僚のDF酒井高徳選手(29)がJリーガーとして初めて感染が判明した。田中選手は「彼は意識がすごく高く、無駄に外出するわけではなかった。素直に驚いた」とし、酒井選手から寄せられた入院生活の情報などが、自身の予防にも役立っているという。
3月26日を最後にチームは全体練習ができず、田中選手の一番の課題は体重管理という。「筋肉が落ちて脂肪に変わる。食べ過ぎないようにするのがストレス」と打ち明けた。
何よりも、今季の神戸は絶好調だった。2月の富士ゼロックス・スーパーカップ(対横浜F・マリノス)で初優勝を飾ると、初参戦のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は開幕2連勝。田中選手は「ACLを取れるチャンスは大きくあった。(コロナ禍は)予想外で残念だが、目標を達成できなくなったわけではない。ACLとJリーグのタイトルを取る目標に向け、強い意志を出していきたい」と話した。(有島弘記)
