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6年ぶりの復帰戦を目指し、練習する日本バンタム級元王者の大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム
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6年ぶりの復帰戦を目指し、練習する日本バンタム級元王者の大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム
6年ぶりの復帰戦を目指す大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム
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6年ぶりの復帰戦を目指す大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム
練習で笑みを見せる大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム
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練習で笑みを見せる大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム
6年ぶりの復帰戦を目指し、江藤日出典会長(右)とともに練習する大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム
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6年ぶりの復帰戦を目指し、江藤日出典会長(右)とともに練習する大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム
トレーニングに汗を流す大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム
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トレーニングに汗を流す大場浩平=神戸市垂水区、サンライズジム

 元日本チャンピオンが6年ぶりに現役復帰する。プロボクシングの日本バンタム級元王者、大場浩平が妻と2人の娘を名古屋に残して単身、神戸に移り、かつて師事した江藤日出典さんが会長を務めるサンライズジム(神戸市垂水区)でトレーニングを始めた。35歳での再挑戦の理由は「命懸けの思い出づくり」と言い、早ければ9月に神戸で復帰戦に挑む。(藤村有希子)

 6月下旬、ある日の夜。「遅くなってすみません! 大場浩平と申します」。配達の仕事が長引いたらしい。167センチ、60キロ弱の細い体を何度も折り曲げ、取材に訪れた記者にわびると、身の上話と経歴を語り始めた。

 名古屋市出身。2002年、17歳でプロデビュー。08年にバンタム級で日本王座に就き、5度防衛した。飛躍を期し、11年に真正ジムへ移籍。同ジムの会長代行だった江藤さんの下で鍛え、日本王座に返り咲いた。

 14年4月、国際ボクシング連盟(IBF)の同級指名挑戦者決定戦で、後に世界王者になるランディ・カバジェロ(米国)に8回TKO負け。同9月に現役を退いた。通算成績は40戦36勝(14KO)3敗1分け。

 話は止まらない。「あの頃、何とか日本、東洋太平洋だけでも(王座を)取りたいと思って、試合入場の時に好きな曲をかけたんです。CHAGE and ASKAの『太陽と埃の中で』。そしたらタイトル取れて」

 「浩平、いつまでしゃべってんだ!」。江藤さんの声が飛んだ。1時間がたっていた。

     ◇

 大場はまるで漫画から飛び出してきたキャラクターのようだ。江藤さんは苦笑しながらも、才能を認める。

 「走るのは遅い。球技も全く駄目。ただ、絵を描くのとボクシングに関しては天才。華がある」

 距離をとってからの、機をみたコンビネーションパンチが武器。相手に当てる能力、「当て勘」は天性のものだ。例えば、わずかな隙間にアッパーを打ち込む感覚。「俺たちのような凡人には分からないことが、彼には分かる」と江藤さん。

     ◇

 引退後、大場は「俺はまだやれる」と思いつつ、家庭の事情もあり、名古屋に踏みとどまるうちに5年半がたっていた。

 35歳の今春、練習を本格再開した。単身、神戸に行くと告げた時、小学校に入学したばかりの長女に「パパは家族が大事と言ってたのに、行っちゃうの?」と聞かれた。

 「パパがボクシングをやるなら、今しかない。だから行くんだ」と説明した。名古屋から神戸に向かうバスの中で、父は一人、泣き続けた。

 日本ボクシングコミッションにライセンスの再交付を申請した。「やらないと後悔する。おじいさんになった時に『あと2試合できたな』とか思っちゃう。人生、自己満足できる歴史をつくりたい」

 復帰戦では、18年全日本フライ級新人王の湊義生(JM加古川)とバンタム級ノンタイトル6回戦を行う予定だ。

 朝にランニング、昼は仕事、夜にジムに向かう毎日。長すぎるブランクに、何をしても息は上がるが「好きだからやる。17歳の頃と同じ気持ち」。少年のような瞳でリングに立つ。

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