
東京五輪・パラリンピック組織委員会は28日、聖火リレーの都道府県別の日程を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で来年夏に延期された大会の日程に合わせて日付を1日ずつ前倒しした以外は、従来の計画を維持した。五輪の聖火は来年3月25日に福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)をスタート、121日間で全国47都道府県の859市区町村を巡る。
既に決まっていた約1万人のランナーは優先的に走ることができる。組織委は各自治体でのルートや各日のゴールで行う祝賀行事「セレブレーション」も予定通りとしたが、各地の事情などに応じて今後調整する。聖火は7月23日の開会式で東京・国立競技場の聖火台にともされる。
パラについては8月12日から16日まで採火のイベントを競技会場のない43道府県で実施。17日からは会場がある静岡、千葉、埼玉で採火とリレーを順次行う。20日に東京で各地の火を一つに集め、24日の開会式まで都内でリレーする。ランナーは既に応募した人の中から選ぶ。
組織委は大会延期に伴うコスト削減のため、聖火リレーの日程短縮も模索したが、各自治体から強い難色を示され断念。隊列の車両やスタッフ数の削減、セレブレーションなどの装飾の見直しにとどめた。
五輪の聖火は古代五輪の舞台となったギリシャ・オリンピア遺跡で採火され、日本に運ばれたが、3月24日に大会の延期が決まり、26日に開始予定だったリレーも中止になった。聖火は日本で保管されている。(共同)
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■兵庫は5月23、24日/出発式など縮小検討
兵庫県では来年5月23、24日の実施が決定。県教育委員会によると、現状は当初の予定からルートは変更せず、1日目は豊岡市をスタートし、竹田城跡(朝来市)や音水(おんずい)湖(宍粟市)などを巡って、姫路城三の丸広場(姫路市)でゴール。2日目は神戸・県庁前から、淡路島、西宮市の甲子園球場周辺を走り、丹波篠山市の篠山城跡を目指す。
聖火ランナーには大会組織委員会が新たに決まった日程を伝え、参加できるかどうかの確認を取る。県内を走るランナーには、北京五輪陸上銀メダリストの朝原宣治さん(神戸市出身)やお笑いタレントの陣内智則さん(加古川市出身)ら兵庫ゆかりの著名人のほか、1964年の東京五輪で台風直撃のため聖火リレーを走れなかった「56年目のファーストランの会」のメンバーら約180人が決まっている。
一方、大会組織委からは具体的な新型コロナウイルス感染防止策が示されておらず、県内では感染者の多い阪神間を中心に、今後ルートなどが変更される可能性もある。また、県や市町が行う出発式や灯火の到着を祝う「ミニセレブレーション」については、参加人数の制限など、規模の縮小も検討されるという。(斉藤絵美)
