
大学サッカーの甲南大が今秋の関西学生リーグ1部で3位に入り、1951年の創部以来初めての全国大会出場を決めた。木村太哉(たかや)主将はJリーグ2部(J2)岡山への加入が内定し、同大学初のJリーガーが誕生する。OBや関係者は二重の快挙に沸き立つ。
昨年2月、J1神戸でもプレーした柳川雅樹氏が監督に就任。「(神戸時代に教わった)バクスター監督や松田監督のゾーン守備のエッセンスを取り込んだ」と2部に降格したチームの守備をてこ入れし、1部復帰に導いた。今季は選手に細かな位置取りを徹底させる先進的な戦術を取り入れ、質を高めた。
ピッチでは背番号10の木村主将が躍動した。札幌大谷高出身で、高い身体能力やサイドからのドリブルが武器。MFながらリーグ3位タイの5得点を挙げ、「プロでもトップクラス」(柳川監督)という精神面でもチームを引っ張った。関学大や立命大に快勝するなど、6勝2分け3敗で全国切符をつかんだ。
来月6日に開幕する全国大会は、コロナ禍で中止された夏の総理大臣杯全日本大学トーナメントと冬の全日本大学選手権(インカレ)に代わって特例で開かれる。準決勝からは観客を入れての開催を予定し、柳川監督は「リーグもすべて無観客だったので、ベスト4に進んで今年のサッカーを見てもらえたら」と話す。
初陣の全国舞台を置き土産にプロの世界に飛び込む木村は「シュートやパスの精度をJのレベルに上げ、スタメンで試合に出続けてJ1昇格の力になりたい」と1年目からの活躍を誓う。(山本哲志)
