
バレーボール女子のJT(練習拠点・兵庫県西宮市)を主将としてまとめるリベロ小幡真子と、アウトサイドヒッター林琴奈がVリーグ1部(V1)の2連覇に大きく貢献し、個人賞に輝いた。今月からスタートした日本代表の活動に弾みをつけ、東京五輪のメンバー争いでもアピールを誓う。
小幡はリベロとしては異例の最高殊勲選手賞(MVP)に輝いた。堅いレシーブと気迫でチームを支え、28歳は「みんなに生かされて取れた賞」と周囲に感謝する。
戦況を眺めてスパイカーやセッターに助言し、得点が入ると全身で喜びを表現する。V1のプレーオフ準決勝と決勝は「勝ちたいという自分の熱いものが、勝手にどんどん前に出ていった」と振り返り、「この1本を取らないと、というもの(勝負どころ)を、全員が把握している感覚がある」と成長を実感した。
サーブレシーブ賞とベストリベロ賞も獲得したが、攻撃面でも「スパイカーのチョイスが増えるように、2段トスの精度を高くしていかなければ」と向上心は尽きない。
日本代表が始動し、「プレーだけでなく、荒木絵里香主将をサポートし、いろんな人としっかりコミュニケーションを取りたい」と頼もしい。
林はV1でレシーブ賞を受賞し、「びっくりした」と声を弾ませた。相手スパイクに対しては「どんな形でもしっかり上げにいくことを一番大切にしている」とした上で、「返せるときはしっかり返し、キープするところはキープするなど、使い分けを心掛けている」と柔軟だ。
173センチとアタッカーとしては上背はないが、スパイクの助走パターンを増やすなど工夫を凝らす。21歳は代表でも「自覚と責任を持ち、まずレシーブの粘りを見せていければ」と飛躍を期す。
JTからはほかに、初選出のセッター籾井あき、ミドルブロッカー芥川愛加も代表に名を連ねている。
(金山成美)
