ツバメの巣からかわいいヒナたちが顔をのぞかせる季節がやってきました。インターネット上ではインスタグラムやツイッターなどを中心に、ツバメの巣やヒナの写真が多数投稿されています。そもそもヒナや子育て中の親鳥にスマホなどを向け撮影しても問題ないのでしょうか。日本野鳥の会(東京都品川区)に話を聞きました。
■親鳥が警戒していたらすぐに離れて
ツバメはスズメ目ツバメ科ツバメ属の鳥類。世界中に約80種おり、日本には夏鳥として、ツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ、ショウドウツバメ、リュウキュウツバメの5種が飛来します。子育ての時期は4~7月頃。巣はツバメはおわん型、イワツバメはどんぶり型、コシアカツバメはとっくり型など、巣の形状によって種類を見分けることもできます。
ーーツバメの巣からヒナたちがずらりと顔を出していると、かわいい姿に思わずスマホなどで写真を撮りたくなる人も多いと思います。注意しないといけないことは。
「人が巣に近づき過ぎたり、巣を近くでずっと見ていたり、巣の近くに人がずっととどまっていたりすると、親鳥が警戒してエサ運びをやめてしまうことがあります。観察にしても撮影にしても、巣には近づき過ぎず、できるだけ短時間にするのがよいと思います。また、親鳥が警戒する気配を感じたら巣からすぐに離れてください」
巣にいる親鳥がこちらを見ている、巣にヒナがいるのにしばらく親鳥が巣に戻らない、親鳥が「ツピ」と鳴きながら飛び回るーーこれらは親鳥の警戒のサインだそうです。このサインに出くわしたらすぐに離れるようにしましょう。
■巣作り、コロナ禍の影響は?
ここ数年、心配されているのがツバメの減少です。背景には餌場となる水田や耕作地の縮小、巣作りに適した日本家屋の減少があります。さらに、コロナ禍による人出の変化はツバメの子育てにも影響はあるのでしょうか。
「ツバメは天敵から巣を襲われにくいようにするため、人通りが多いところに巣を作るといわれています。そのため、人通りが減れば、子育てに影響が出てくるのかもしれないと心配する声もありました。当会では、オンラインで全国の方からツバメの子育て情報を投稿していただく調査を行っています。昨年の結果をみる範囲では、1つの巣からの巣立ちヒナ数には、例年と比較しての減少は見られませんでした」(同会担当者)
■ツバメの巣、無断撤去は法律違反
都市部では不衛生を理由に巣が撤去されるケースも報告されているそうです。野鳥であるツバメは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の「第八条 鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう)をしてはならない」により守られています。都道府県知事の許可なく卵のある巣やヒナのいる巣を壊すことは違法です。違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
ただし、巣立ち後に巣の中に卵やヒナがいない場合は別で、各自治体のホームページには次のような案内があります。「巣の中に卵やヒナがいなければ、巣を除去し、可燃ごみとして捨ててください」(神奈川県藤沢市)、「自宅の敷地内に野鳥が巣を作ってしまった場合、巣の中にヒナや卵がいなければ、撤去していただいて問題ありません」(神奈川県平塚市)など。
■初めてのツバメ観察に「ようこそツバメ」
日本野鳥の会ではパンフレット「ようこそツバメ」を発行。巣の図解や観察時の注意点、フンが落ちて困る場合の対処法などがくわしく解説されています。
同会では「ツバメは街中で子育てする身近な野鳥です。親子で自然観察を楽しむには最適な鳥だと思います。コロナ禍で遠出がしにくい日が続きますが、ご近所でもできる自然観察を通じて、日常生活に少しても楽しみを加えていただければ」とし、希望者に無料で配布しています。
パンフレット「ようこそツバメ」はA3サイズ(約30×42cm)両面フルカラー。折りたたみ時はハガキサイズ(約15×10cm)。申し込み方法は日本野鳥の会ホームページ内の専用フォームから。郵便、FAXでも申し込み可。
(まいどなニュース・金井 かおる)
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