神戸の観光地、南京町でヌンチャクをゆる~く振り回す牛のキャラクター動画が話題になった。その名はコーベイ。神戸牛がモチーフの、兵庫県非公認観光PRキャラクターだ。い、いつの間にこんなものが?コーベイの生みの親で、旅行会社ビートラベル代表取締役の渡邊華穂さんに話を聞いた。
神戸といえば神戸ビーフ!
クリッと丸い目に赤いほっぺ。お腹の赤いハートマークに「KOBE」の文字。神戸愛にあふれるコーベイは、インスタグラムを中心に兵庫のさまざまな観光情報を案内する。
「これは、南京町商店街で行った、ヌンチャクチャレンジリレーで張り切っているコーベイです」と笑顔で動画を見せてくれる渡邊さん。コーベイは彼女によって2019年に誕生した兵庫県非公認観光PRキャラクターで、日本語の他に英語、韓国語、中国語、そしてドイツ語の5か国語を操るかなりの国際派だ。コロナ禍前は、観光PRのために兵庫県「公認」のマスコット「はばタン」との共演を果たすなど、活躍の場を広げていた。
それにしても、そもそもなぜ神戸牛がモチーフなのか。
「神戸といえば、神戸ビーフなんです」
日本人には意外と知られていないが、実は多くの外国人観光客が「神戸」と聞いて最初に連想するのが神戸ビーフ。ならばそれを前面に押し出そうと、ありそうでなかった神戸牛のキャラクターを制作したという。
コーベイの名前は、神戸とベイ(港)をかけたもの。神戸は古くから港とともに発展した街で、港からさまざまな外国文化を受け入れてきた歴史がある。
「スイーツやジャズ、映画。またゴルフやサッカーなど、今や当たり前のものの多くが『神戸発祥』とされています。掘り下げるとかなり面白いですよ」
日本らしさを残しつつ外国文化を取り入れた、和と洋の融合に魅力を感じる渡邊さん。そんな神戸をもっと知って欲しいと強く願うのは、旅行代理店で外国人観光客の手配業務をしてきた経験からだ。
住む人が誇りに思う、街の魅力をPRしたい
もともと神戸出身で、ドイツ暮らしの経験もある渡邊さんは、外国との架け橋になりたいと東京の旅行代理店に就職し、外国人担当部署で活躍。インバウンドも好調な頃で、東京での五輪開催が決まったのを機に独立した。そこでも日本各地を回るインバウンドの手配を行っていたが、子どもの誕生などを機に3年前、故郷の神戸にUターン。ビートラベルを創業した。
「実は旅行業に携わる立場から、京都や大阪に比べて神戸は元気がないな、と心配でした」
有馬温泉や灘の酒蔵など、有名な観光地が広範囲に点在する神戸。京都や大阪からの日帰り観光にと神戸を勧めても、「何をするの?」「何ができるの?」と聞かれる。観光客を引き付ける力が十分でないと感じていたそうだ。
また飲食店のメニューや街中の看板の英語表記の少なさに、外国人を受け入れる雰囲気が希薄な印象も受けた。
でも、「住むなら神戸が一番」という外国人は多い。
ゆったりした街並みや時間の流れ、そして人の温かさに魅力を感じるそうだ。神戸は、暮らすように旅するスタイルが合っているのかもしれない。
「神戸にはまだ素晴らしい観光資源が眠っている」と言う渡邊さん。「ビートラベルの名前の由来は、神戸のモニュメント『BE KOBE』から。市民が、神戸市民であることの誇りを表現しているのだそうです。神戸の魅力は人にあります。そこを大切にしながら、コーベイを通じてあらゆる神戸や兵庫の魅力を発信していきます」
(まいどなニュース特約・國松 珠実)
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