18歳の猫が若手……。そんな高齢猫家庭があります。愛媛県のK家です。他の猫3匹は、全員20歳です。
そんな高齢猫家庭に元気いっぱいの子猫がやってきたのは、2020年4月。緊急事態宣言が発出され、日本のみならず世界中がステイホームと叫ばれていた時です。K家のお父さんの友達の職場で野良猫が出産しました。
その猫の引き取り手を探していると、なぜか娘さんのMさんに連絡が。見に行くと、生後1カ月ほどの可愛い子猫たちが5匹ほどいるではありませんか。でも、家には高齢猫たちがいます。引き取るのはためらわれました。けれど、子猫は可愛い。
「1匹だけなら……」
三毛の女の子を抱き上げるとお父さんの友達が、茶トラの女の子を掴んでポイっとMさんの腕に載せました。どうも引き取り手が他にいなかったようです。
このままMさんは帰宅し、家族に子猫を見せます。この時お父さんが「もう増やすな」と怒りました。Mさんは「ああ、これだから私に連絡がきたのか…」と合点が付いたんですって。
もちろん子猫は返すことはなく、K家で一緒に暮らすことになります。なんだかんだいって、お父さんも子猫たちにはメロメロですし。気を付けたのは、高齢猫をビックリさせないこと。だから、子猫たちが過ごすのはMさんの部屋がメインです。
子猫たちは三毛猫が「タマ」、茶トラが「ポチ」と名付けられました。
授乳期は終わっていると子猫をくれた人も獣医師も言っているのに、タマちゃんもポチちゃんもご飯を食べません。緊張していたのかもしれません。仕方がないので哺乳瓶を飼ってきて、ミルク再開です。
ただこれだと、数時間おきにあげなくてはなりません。会社に行っている間、どうすれば…。悩んでいたら、会社が経営悪化のため昼休みから午後の仕事は休憩となったのです。普通なら大ごとですが、Mさんは大喜び。毎日午前中の3時間だけ働いて、あとの時間は子猫たちのために使いました。
子猫たちのお世話をしたのは、Mさんだけではありません。先住猫で18歳のまさおくんも子猫たちのお世話をしてくれました。彼は先住猫の中では若手で、猫たちのまとめ役。高齢猫連合のスポークスマンとして子猫を表敬訪問します。
この表敬訪問の際、ちょこちょこ子猫たちに色んなことを教えてくれたのだそう。例えばトイレ。子猫ですから最初ペットシーツにしていたのを、猫砂でできるよう教えたのはまさおくんです。お手本に見せてやり、今度は子猫たちにやらせる。それをそばで見てくれるのです。これには、タマちゃんもポチちゃんも心強かったでしょう。
こういうことがちょこちょこあるのだそう。あまりにも年齢が離れているため一緒に遊ぶことはできませんが、交流はちょいちょいあるんですって。猫も年を取ると、誰かに何かを教えたくなるのかも知れません。
こんな日々が緊急事態宣言発出中、ずっと続きました。Mさんは外に遊びに出たいと全く思わなかったと言います。
ようやく緊急事態宣言が解除された6月末、ようやくタマちゃんとポチちゃんはカリカリを食べてくれるようになりました。これで安心して会社に行けます。が、もう会社には行きたくなくなっていたのだそう。今までおとなしくなった高齢猫とだけの暮らしに、いきなり子猫ですから楽しくてたまらない。
飛んだり跳ねたり、壁を走ったり!
2匹はピンポン玉がお気に入りのおもちゃで、咥えて走ったり手で鞠のようについたり。ついエキサイティングしてベッドの後ろに落としてしまった時は、Mさんを「にゃー」と呼んで取ってもらいます。
タマちゃんは鼻炎があり食も細かったのですが、動物病院で薬を打ってもらってからポチちゃんよりも元気いっぱい!壁を走るのは、タマちゃんです。
この子たちがまさおくんと同じ年になるころ、タマちゃんもポチちゃんも何か教えてくれる猫になっているかも知れません。その日を楽しみに、今も続くステイホームを乗り切っていきたいですね。
(まいどなニュース特約・ふじかわ 陽子)
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