水に入ってアートの世界の没入感が体験できる「チームラボプラネッツTOKYO DMM(東京・豊洲)」が開業3周年を迎え、1万3000株のランの花に包まれる庭園と、光り輝く卵型の彫刻群&苔庭の2つのガーデンエリアを新たに追加しました。どんな庭なのかさっそく行ってきました。
■空中に咲く大量のランの花が鏡張りの空間に…
既存の6つの「Water Area」と1つの「Public Area」に加え、今回新たに拡張されたのが2つの「Garden Area」です。まず「Floating Flower Garden: 花と我と同根、庭と我と一体」という名前が付いた庭ですが、1万3000株ものランの花が鏡張りの空間に展示されているもの。
ちなみに、ランは土のない着生植物となるものが非常に多く、この庭でも空気中から水分を吸収して空中で生きています。またランは地球上で最後に現れた植物で、野生種だけでも2万5000~3万種類あると言われています。さらに種子はほこりのように細かく、発芽のための貯蔵栄養を持っていないため、自然下では特定の菌類との共生によって栄養を供給してもらい発芽するといった不思議な植物なのです。
ランの話はこのくらいにして、さっそく入ってみると、入り口に「2人以上で入る場合は左右に分かれてお進みください」という注意書きがあります。なんだろうと思い進んでみると、天井からランがカーテンのようにいくつも吊り下げられています。近づいていくとランのカーテンがかなりゆっくり上がっていきランで囲まれた道ができるのです。2人で別方向から歩き進めればランに囲まれた道で出会えるという演出なのでしょう。
ランは特定の昆虫による花粉媒介をする共進化でも知られていますが、ランは種類ごとに昆虫の行動する時間に合わせて強い香りを放つため、作品空間は朝、昼、夜で香りが刻々と変化するので、香りを楽しむのもいいでしょう。
■呼応する銀色の物体は押しても触っても大丈夫
もうひとつの庭は「呼応する小宇宙の苔庭 - 固形化された光の色」という名前の付いたもので、こちらは用意されたサンダルに履き替えて鑑賞します。エイリアンの卵を彷彿とさせる銀色に輝く謎の卵型の物体(ovoid)と苔庭、それにミストが舞っているため、なにか出てきそうな雰囲気でした。
日中に行ったため実際に見てはいませんが、日の入りとともに61色の「固形化された光の色」で自ら光り輝き昼間とはまったく別の表情になるそうです。それに人に押されたり、風に吹かれたりして倒れると「おきあがりこぼし」のように起き上がり、他のovoidも次々に呼応するかのように、同じ音色や光で反応します。
天井が開いているために外気の影響を受けやすく、近くを走るゆりかもめが通ると、風の影響からなのかミストがなくなるそうです。床に敷きしめた苔はハイゴケで、巨大な苔玉もところどころにあり、ミストの湿気により苔たちもすくすくと育っているとのこと。
どちらの庭もこれまでの作品とは違い、生きている植物を使っているため、時間や季節による変化を楽しめるものとなっています。
■水に入る「Water Area」は映像の没入感が体験できる
既存作品の代表としては「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」というのがあります。床一面に張った真っ白な水に映像を投射しているため、歩くと水面がゆらぎ、まるで作品自体が生きているかのようです。この作品は、あらかじめ用意された映像を水に投射しているのではなく、コンピュータプログラムによってリアルタイムに描かれています。そのため鯉が泳ぐプログラムでは、鯉が人にぶつかると花となって散っていくなど、同じ映像を2度と見ることはできません。
水深は膝丈程度で水温も心地いい温かさです。どれも没入感があり作品に夢中になってしまいがちですが、「Water Area」は落とし物には気をつけたいもの。その他のエリアは床や壁が鏡張りになっているため、パンツスタイルで行くことをおすすめします。
▽「チームラボプラネッツTOKYO DMM(東京・豊洲)」
入場料:大人(18歳以上)3200円、大学生・専門学生2500円、中学生・高校生2000円、小人(4歳~12歳)300円、3歳以下は無料、シニア(65歳以上)2400円、障がい者割引 1600円。
所在地:東京都江東区豊洲6-1-16 teamLab Planets TOKYO
(まいどなニュース特約・鈴木 博之)
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