なんとなく冬のイメージがあるチョコレート。でもチョコ好きさんなら、季節に関係なく食べたいはず。そんなチョコレートが自宅で作れるってご存知ですか?「どうせ市販のチョコを溶かして作るんでしょ?」と思ったら大間違い。ちゃんとカカオ豆から作ります。しかもチョコになるまでに必要なのは、たったの1時間!そんな時短チョコレート作りを体験できるワークショップに参加してきました。
◇チョコを作ってみよう
私たちがいつも口にするチョコレートの製造には、通常12時間。長くて2~3日かかります。これをたった1時間で…? 本当に完成するのでしょうか。
用意されたのは、カカオ生豆100gと黒砂糖。そして「エコセロ」というカカオ豆焙煎器です。さっそく作ってみましょう!
1. カカオ豆を焙煎
30秒ほど温めたエコセロに、カカオ豆を入れる。中火より弱めの火加減で、エコセロを横に振ったり置いたりしながら、100~130度の熱を加え続ける。水分が飛び、薄く煙が出て豆のはぜる音が聞こえたら、あと1~2分振って火を止める。焙煎時間はわずか10分ほど!
2. 皮むき
カカオ豆の皮をむく。
3. 皮をむいたカカオを計量し、砂糖の量を決める
手作りの醍醐味は、カカオの量を自分で決められること。糖を抑えた「高カカオ」チョコレートは、カカオ含有率70%以上。ということで、今回は70%の高カカオチョコレートに!砂糖は黒砂糖を使用。
【計算式】(カカオの重さ)÷(0.7)-(カカオの重さ)=(砂糖の量)
【今回】87g÷0.7-87g=37.2g
4. カカオ豆を砕く&砂糖を加える
皮をむいたカカオ豆を、約10分かけてミルで砕いていく。回したり止めたりを繰り返しながら機械熱も利用して。トロトロになったらいったん止めて砂糖を入れ、再びトロトロになるまでミキサーにかける。
5. 型へ流し込み
スプーンを使って型に流し込む。トッピングもOK!
6. 約10分間冷やし、型から出して完成!
◇おいしく健康な食べ方いろいろ
食べるとカカオのわずかな粒が感じられる、高カカオチョコレートが完成しました。
ビター味のチョコには、少し塩を加えて塩キャラメルのように楽しむのがオススメ。夏に不足しがちなミネラル補給にピッタリです。シナモンやブラックペッパーなど、スパイスもふりかけても良さそう。
なにより食べても罪悪感のない甘さのチョコレート!個人的には、コーヒー豆のトッピングが好みです。夏ならアイスコーヒーとセットでいただいて、夏バテ解消に!
「カカオは含入量が多いほどポリフェノールの量も多く、健康に良いとされます。でもカカオ100%より、多少甘い方がやっぱりおいしい。糖尿病の方やダイエット中の方などには、天然甘味料のラカントはいかがでしょう」とアドバイスしてくれたのは、ワークショップを指導してくれた管理栄養士の濵田知美さん。Bean to bar at home(ビーントゥバーアットホーム)の理事でもあります。
「高カカオチョコは、食前に少し食べると血糖値の急激な上昇を防げます。健康にも良いですよ」
◇チョコレートを知る
Bean to bar(ビーントゥバー)とは、カカオ豆からチョコレートバーになるまでを一貫した製造を行うことをいいます。日本には、すでに150~200もの個性豊かな板チョコレートを製造・販売するBean to barの店舗があるそう。Bean to bar at homeでは、自宅でも好みのチョコレートが作れるよう、カカオ豆専用焙煎器「エコセロ」とカカオ豆の粉砕にも耐えられる推奨ミルを販売します。
自宅で作ればカカオや砂糖の量を調整でき、よけいな添加物の心配もいりません。家族や友人らと一緒なら、香ばしいチョコの香りを楽しんだり、皮むき競争をしたりと、プロセスを楽しみながら作れます。
一宮隆史さんは、30年ほど前から海外や国内産のコーヒー豆を取り扱う「焙りたてや本部 一宮物産」の2代目で、Bean to bar at homeの理事長です。
「コーヒー豆とカカオ豆は共通点が多い」と言う一宮さん。
「発展途上国が生産や加工をし、欧米や日本などの先進国が消費する現状や低賃金、子どもを働かせる児童労働など抱える問題も似ています。健康に良いのに嗜好品とされ、本来の良さがきちんと伝わっていない点も同じ。逆にそこが魅力で、ぜひ手がけてみたいと思いました」
そんな一宮さんと濵田さんが出会ったのが昨年の8月。そこから半年ほどで、Bean to bar at homeの設立までこぎつけました。
一宮さんは、ウガンダやベトナムから、ダイレクトトレードでカカオ豆を仕入れます。他にもガーナやタンザニアなど、常時5種類の豆をそろえているそう。
「直接取引が大事。適正な賃金で彼らの労働環境を守ることが、末永い取引につながる」と話す一宮さん。一方濵田さんは「チョコレートを作る工程はもちろん、歴史や今ある問題を教材にして、小学校や中学校で教えたい」と夢を語ってくれました。
(まいどなニュース特約・國松 珠実)
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