千葉県在住のAさん(30代・息子6歳)は、お子さんと2人で暮らすために賃貸物件の契約をしました。しかし、シングルマザーであることを不動産会社に伝えたところ、大変不安な思いをしたといいます。そのときの体験を聞きました。
■「いまはオーナーさんも審査に慎重なんですよね」
Aさんは子どもの成長に伴い、離婚前に住んでいた賃貸物件から引っ越すことを決めました。それまで住んでいたアパートは、元夫の名義で契約しており、その後も元夫が養育費として家賃を支払っており、離婚前と変わらない生活をしていました。しかし、息子さんが小学校に上がる時期になり、手狭になったため、新しい住まいを探すことに。
めぼしい物件があったので、内見を申し込み、不動産会社に詳しい話を聞きにいきました。内見ではとくに問題もなくスムーズに話が進みましたが、その後こちらの状況を説明し、シングルマザーだと告げると担当者の顔色が曇ったのがわかりました。いまはひとり親の家庭も多いので、とくに問題はないかなと思い不動産会社に行ったAさんは驚きました。
「そうですか~、一人で子育て大変ですね。他に同居される方はいますか?いまはオーナーさんも貸すときの審査に慎重なんですよね。収入の点もかなり詳しくご提示いただく必要があると思いますよ」
「ひとり親では賃貸を借りることは難しいということですか?」
「状況によりますね。なによりも安定した収入と人柄や家庭状況が重要になるんですよ~。誰かに名義人になってもらうのも、オーナーが嫌がるんでね…」と担当者はシングルマザーと聞いたときから、もう相手にする気がないようでした。オーナーが嫌がると言えば、こちらが身を引くと思ったのでしょう。
Aさんはもうここにお願いすることはないと思い、不動産会社をあとにしました。
■シングルマザーでも賃貸契約できた!
その後、引っ越し先を見つけなければいけないとわかっていても、不動産会社から足が遠のいていました。重い腰を上げて、違う不動産会社へ相談にいき、今回は最初に家庭状況などを説明してから、対応してもらうことにしました。すると、担当者から思いがけない言葉をかけられたのです。
「わかりました!物件が借りられるよう、僕も頑張らせてもらいます。審査や状況によっては、第一希望の物件が借りられないこともあるかもしれませんが、そのときはまた違う物件を探しましょう」
「以前、伺った不動産会社でシングルマザーは契約するのは難しいと言われたんですが...」
「そういったお客様はこれまでにもいましたし、ノウハウがあります!方法は都度、ご提案させてもらうので、頑張りましょう!」
そのとても協力的な姿勢に感銘を受けたAさん。前向きに物件探しを頑張ることができました。Aさんは息子さんの入学に合わせて、無事引っ越しをすることができました。シングルマザーでも賃貸契約できたのです。
Aさんのように、ひとり親で賃貸物件を探して、契約したいと考えている人もいるでしょう。しかし、いまでもシングルマザーと聞くだけで敬遠されたり、Aさんのような対応をされることも珍しくありません。それでも、子どものために生活環境を整えられるよう、ベストを尽くしていけたらいいですね。
■シングルマザーが賃貸契約するためには?
通常賃貸契約をする際に必要になるのは、以下の書類です。
・源泉徴収または納税証明書
・印鑑、印鑑証明
・住民票
・賃貸契約料
・損害保険(必要であれば)
・保証人の同意書(必要であれば)
…基本的にはこれらの書類や費用を準備できれば、賃貸契約することができます。しかし、ひとり親となると収入が不安視されたり、身寄りがあるのかなどを確認されることがあります。
養育費や手当の支払状況をはじめ経済状態について確認するため、前年度、前々年度の納税証明書(保証人も同様の書類)、通帳のコピーなどを求められる場合もあります。要求されたものが揃えられるのであれば、自分の名義で契約できる可能性が高くなります。一方で、書類を揃えることが難しかったり、審査に通らなかった場合には、公営住宅の申し込みを勧められたり、保証人に名義人となってもらうなど他の方法を提案されることもあります。
不動産会社のやり方やオーナーの判断によるところが大きく、一概にこれができれば、必ず契約できるといったものはありません。そのため大切になるのは、親身になって話を聞いてくれる不動産会社を見つけられるかどうかです。Aさんのように協力的な会社を見つけることができれば、契約が可能になることもあるでしょう。何件か連絡をとったり足を運んだりして、具体的な相談をしてみると、相性なども確認できるでしょう。スムーズに契約ができるよう、さまざまな方法を探ってみてください。
(まいどなニュース特約・長岡 杏果)
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