コロナ禍により、レンタカー需要が高まる中、シングルマザーや非正規雇用者を応援しようと昨年11月に立ち上げられた「軽ノリレンタカー」(大阪市旭区)が注目を集めている。車を必要としながらローンが組めない人たちに「長期レンタル」や「自社ローン」を使って、提供するシステムだ。費用は1日1000円程度とリーズナブル。社長の勇美来(いさみ・みく)さんに車のローンやレンタカーの現状をお聞きした。
■シングルマザーは車が買えない?ローンも組めない?
地域や仕事によっては車が「生活の必需品」となっている。しかし、経済的に厳しい母子家庭では車のローンを組むのが難しかったり、非正規雇用などで所得の低い人はローンの審査に落ちてしまうことが少なくない。ましてや、生活保護を受ければ、車の保有は資産になってしまい、受給条件から外れてしまう可能性も出てくる。
「軽ノリレンタカー」を立ち上げるきっかけは、ご主人(翔太さん)がシークレット引越を請け負い、母子家庭や所得の低い女性たちの引越を担当する中で「彼女たちは車一つ買うにも、借りるにも大変だ」という話を耳にしていたからだという。自身も母子家庭に育った経験もあり、一念発起。「彼女たちを応援できる車関係の仕事がしたい」と昨年10月からスタートさせた。
その際に、自社ローン専門中古車販売「カーマッチ」にもフランチャイズ(FC)として加盟した。というのも、自動車ローンを利用する場合、購入時に信販会社の審査を受ける必要があり、審査を通過しないとローンを利用することができない。
これに対し、自社ローンだと「うちのような販売店が顧客の信用状況を独自の基準で審査し、直接購入者に融資をする形となります。つまり、審査基準が販売店独自のものになるため、通常の自動車ローンより審査が通りやすいのが特徴です」と勇社長は言う。
■コロナ禍で苦戦強いられる人々を親身にサポート
コロナ時代になり、他社との接触が避けられる車の需要は増えている。しかし、仕事などで車が必要にもかかわらず、ローンがおりず困っている人が少なくない。特に、母子家庭の女性が苦戦を強いられているのが現状だ。そこで、自社ローンなどの相談は勇社長が率先して受け持ってきた。
「母子家庭や女性、仕事を失ってローン組めない人とか、本当に大変な人が相談に来られます。金融でブラックリストに載った方でも購入できることもあるので、あきらめないでほしいですね」
ポリシーは「お客様に寄り添って販売すること」だという。
「自社ローンなので、審査は私たちがするのですが、無理のないローンの組み方をご提案しています。車を売るのが最大の目的ではないですね。他社との差別化を図りたいし、お客様に寄り添って一緒に歩みたい。本当に大変なお客様を助けてあげたいという思いの方が先に立ちます」
実際にローンを組めたシングルマザーのA子さんは「諦めていましたが、親身になってご相談に乗っていただけ、ローンが通りうれしいです。車が持てたことで新しい仕事に就くことができ、本当に感謝です」と話している。
■生活保護受給者でも借りられる?「長期レンタカー」が人気
仕事や生活で車を必要とする人はいっぱいいる。しかし、生活保護を受けている人などは車を購入することはできづらい。そんな人に向けては「長期レンタカー」の提案も行っている。「軽ノリレンタカー」では、保険料込みで1カ月3万2000円~、1週間なら1万4000円~、格安料金で車がレンタルできる。
「車があれば、新しいビジネスができるとおっしゃる人もいます。そんな人の背中を押すことができる。この仕事を始めてまだ1年経っていませんが、やりがいはいっぱい感じています」
現在、母子家庭を含め、女性客は全体の2割程度だそう。「もっと多くの女性のみなさんに、わが社の存在を知っていただきたいし、利用していただきたい。そして、笑顔になっていただきたい」と勇社長は呼び掛けた。
◇「軽ノリレンタカー」大阪市旭区高殿3丁目4-9
電話050-3628-3164
https://karunori-car.com/
◇「カーマッチ大阪中央店」
https://car-match.jp/company-44/
(まいどなニュース特約・八木 純子)
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