毎年、京言葉による怪談朗読劇を開いているのが女優のまつむら眞弓さん。2021年は京都の蔵で新作を発表。「多くの人に怪談と京言葉を楽しんでほしい」と、この9月中旬からYouTubeで新作を無料で見られるようにしたという。コロナ禍でおうち時間が増える中、芸術の秋に怪談朗読劇を楽しんでみてはいかがですか。
■10年前にライフワークで始めた「怪談朗読劇」
まつむら眞弓さんは東映京都撮影所所属の女優さん。1980年にテレビ時代劇「暴れん坊将軍」でデビュー。映画は近年、「花戦さ」(2017年)や、吉永小百合主演の「北の桜守」(18年)、「最高の人生の見つけ方」(19年)などに出演し、テレビドラマ「科捜研の女」「遺留捜査」などでも知られる。
そんなまつむらさんがライフワークとして力を入れている活動が「京言葉」にこだわり、10年ほど前から独自の視点で「怪談朗読劇」をつくりあげ、各地で展開してきた。2019年にはアメリカでも公演し、話題を呼んだが、ここ数年、コロナ禍でせっかくの怪談朗読劇も披露する機会が減っている。そんな中で開かれたのが、今回の京都の蔵で披露した新作だ。
■蔵の中で聞く、京言葉の怪談朗読劇にゾクッ!
8月末、レ・コネクション(京都市下京区)が手掛ける京町家一棟貸しの宿「紡 四条新町」に併設する築80年の蔵で開かれたのが「諸国もののけかたり其の一 椿小路の比丘尼(びくに)さま」という新作。話は、人魚の肉などを食べて不老長寿を得た伝説上の人物、比丘尼が開いた語りの会から始まる。小泉八雲の妻、セツ夫人がそこで聞いた『耳なし法師』の話を夫に伝えるという創作物語だ。
蔵の中で、ソーシャルディスタンスを取り、赤い紗幕を下ろした中での朗読。これが意外な効果を生み、不気味さを増す要因に。また、これまでは三味線で伴奏をしてきた川合絃生さんが今回は琵琶を担当。その音色が怖さと話を盛り上げていた。
■多くの人に「怪談朗読劇」を楽しんでもらいたい!
コロナ禍でも「エンターテイメントの灯りは絶やしたらあきまへん!」と考えてきたまつむらさんに、蔵での公演を提案したのが、前述の宿を運営するレ・コネクションという会社だ。
「通常、蔵は宿泊者の受付業務を行っているが、イベントを開催することで蔵の新たな活用につなげたい」と同社広報の大石彩未さんがまつむらさんに怪談朗読劇での使用を依頼したのが始まりだ。実は大石さんは東映京都撮影所俳優部の後輩にあたり、怪談朗読劇を見て「蔵で開催したい」という意欲がわいた。コロナ時代に対応し、密を避けるため2回に公演を分け、なおかつ定員を各回20名までにして開催した。
新作をもっと多くの人にも楽しんでほしいと、YouTubeで「諸国もののけかたり其の一 椿小路の比丘尼さま」を見られるようにした。
まつむらさんが住む京都も緊急事態宣言が9月30日まで延長されている。おうちにいる時間が多くなった今、「ぜひ、怪談朗読劇を楽しんでほしい」そうだ。
(まいどなニュース特約・八木 純子)
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