天ちゃん(オス・生後3ヶ月)は、2021年7月8日早朝、大雨の中、大声で鳴いて助けを求めていた。
愛知県に住む中村さんは、新聞配達の途中で猫の悲鳴の様な鳴き声を聞いた。少し探したが見つからず、母猫が迎えに来るかもしれないと思い、その場を後にした。配達を終えて20分後くらいに戻ってみると、まだ猫は大きな声で助けを求めていた。
「声がする方を探してもなかなか見つからず、私も泣きそうになって立ちすくむと、足元から声が!物陰でも草むらでもなく石ころの横でずぶ濡れで鳴いてました」
天ちゃんはとても小さくずぶ濡れだったので、ヒナ鳥かネズミのようにも見えた。
「猫には見えないけど鳴き声は猫でした。大きくなるのか?育てられるのか?先住猫もいるし不安だらけでしたが、一人ぼっちで濡れながらも大きな声で助けを呼んで、必死に生きようとしてる姿に救いたい、幸せにしたいと思いました」
後先考えず天ちゃんを拾い上げて車に運び、タオルにくるんで家に帰った。いつから雨に濡れていたのか、お湯で体を温めてあげると天ちゃんは静かになって少し安心したのか眠りについた。
■天からの贈り物
天ちゃんは家に着くと、さっきまでの大声はどこへやら、か細い声で鳴いていた。病院が開く時間を待ってすぐに診てもらったところ、へその緒が取れているから生後1週間くらい、目も開いておらず、耳は鳥に突かれたのか傷があり、ハエが産み付けたウジ虫が耳に入り込んでいた。駆除にも日にちがかかり、耳は後遺症が残る可能性が高いと言われた。
先住猫2匹は異変を感じたのか、天ちゃんを保護した日は2階から降りて来なかった。中村さんは無理に会わせようとせず、どうしても嫌がるようなら先住猫の為にも“里子”に出すことも考えていた。しかし、徐々に距離が縮まり、先住猫たちは上手く受け入れてくれたという。
「保護した前日は七夕だったのですが、大雨だったので天の川から流れ落ちてきてしまったのか?雨が降っていなければ猫の鳴き声がしてもすぐに助けようとは思わなかったかもしれません私たちには天からの贈り物のように思えて、天と名付けました」
■人も猫も大好き
天ちゃんは、目も開いてない時から人や猫と一緒に暮らしてきたからなのか、怖いものなしで人間も猫も掃除機も大好きなんだという。先住猫の後について何でもマネするので、やることが早いという。中村さんは、根っからの犬派だったが、今ではすっかり猫の魅力に取りつかれ、全て猫中心の生活に変わったという。
「コロナ禍で外出できなかった昨年は、猫と暮らすことで癒やされ、どれだけ救われたかわかりません。離婚寸前だった夫婦仲も猫のおかげで話すことが増え、落ち着きました」
中村さんは、かわいそうな野良猫を減らしたいとTNRにも挑戦した。今も近所で元気に暮らす姿を見て、ますます意欲的に保護猫活動をするつもりだという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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