眼科で診察をしていると、年配の方で大きく目の位置がずれている方が受診することがあります。「治療は考えていないのですか?」と聞くと、逆に「治せるのですか?」とびっくりされこちらが驚くことがあります。
目の位置が正面からずれていることを「斜視」といいます。ずれが大きいと「どこを見ているか分からない」「目が合っていない」という印象になり美容的に大きな問題となりますが「生まれつきのものだから」とあきらめて放置している人もいらっしゃいます。
斜視は目を動かす神経や筋肉の異常で起こることが多く、ものが二重にだぶって見える複視(ふくし)を自覚します。目の位置のずれが大きいと目の疲れや肩凝り・頭痛の原因になることもあり、こういった症状があると眼科で治療を考える方が多いです。今までなかった斜視が、急激に悪化する場合は要注意です。脳動脈瘤(りゅう)などの深刻な病気が隠れていることもあるので、眼科で精密検査を受ける必要があります。
一方で斜視の自覚症状がないケースもあります。幼少時からの斜視を治療していない人は、片目でものを見ているため、複視の症状がありません。また何かの病気で片目の視力が極端に悪い場合も、ずれによる複視の自覚がないことがあります。本人は特に不自由がないため、治療せずに放置されていることがあります。
大人になってからの斜視も、治療方法は子供と同じです。目の位置を正面に戻すため、目を動かす筋肉の位置を移動させる手術を行えば改善します。局所麻酔で行えるので、思ったほど大変なものではありません。
日帰りの手術で改善して、「もっと早く治しておきたかった!!」とおっしゃる方もいます。もちろん保険適応で手術加療ができますので、身近な親しい方に治療方法があることをぜひお伝えいただけたらと思います。
◆窪谷日奈子 医療法人社団吉徳会・あさぎり病院・眼科医長。眼科専門医。
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