衆議院議員選挙から1週間。選挙事務所を引き払い、議員会館、議員宿舎からの引っ越しを終えた落選者達に次に待ち受けるのは、これからの進退だ。落選した人って一体何で生計を立てているのだろうか。
■テレビに出られない、教授にもなれない
落選組の進退は、二つしかない。引退するか、再挑戦するか。いずれの道を選んでも、真っ先に求められるのは明日からの生活だ。一部では、党の業務に従事させ生活の面倒を見るという政党もあるが、それも限定的な話で、一般的に落選者は自分の飯は自分で食わねばならない。
テレビでコメンテーターや大学教授として活躍する方を時折目にすることから、こうした職に就くのかと思いきや、これは圧倒的な知名度(いい意味でも悪い意味でも)や大臣・知事などの貴重な経験を持つごく一部の議員だけで、ほとんどの落選議員にそうしたポジションは巡ってこない。特に再挑戦組は政治色がついているためテレビはまず使わない。
テレビで活躍される橋下徹氏や東国原英夫氏にしても「次の選挙に出る」と公言したが最後、テレビ局は使わなくなる。大学教授職は一定需要があるが、それも行政側での実務経験がある場合かよほどの政策通でなければ使いたがらない。それ以外の方は、せいぜい個人的にお付き合いのある地元中堅大学の教授職に就ければ御の字で、いずれにせよ狭き門である。
また、大臣経験者クラスになると関連業界の大手企業の役員というポストに就くというケースもあるが、これもごく一部だ。
■顧問という名の支援
では、大半の落選議員は何をして生活しているのか。
大別すると2パターンある。一つ目は、支援してくれる企業の顧問に就き、生活の面倒を見てもらっているというパターン。大抵は複数社、場合によっては数十社の顧問を掛け持ちし、毎月数万円から数十万円の顧問料を頂き、政治活動に邁進する。ただ、こうして政治活動できるのは、一定以上の実績と信頼を積み重ねてきている中堅議員以上の話。場合によっては、理解のある支援者の企業で時間的融通の利くサラリーマンとして生活を送りながら来るべき選挙に備えるというケースもある。
もうひとつは自営業。特に再挑戦組の場合、政治活動に大半の時間を費やさねばならないので勤めに行くのは難しい(そもそも、元議員を雇ってくれる会社も余りないのが現実だが)。従って、おのずと自営業を選ぶケースが多くなる。そもそも資産家であったり、前職が会社経営者や家業がある者、士業や医師などの専門家も多いため、こちらも一般的な選択肢になっている。
いずれにせよ、政治活動では飯が食えないのも現実で、生活のための仕事と政治活動という二足の草鞋を履きながら、捲土重来、次の選挙に向け巻き返しを図るのである。
◆村山 祥栄(むらやま・しょうえい)前京都市会議員、大正大学客員教授。1978年京都市生まれ。専修大学在学中は松沢成文氏の秘書を務める。リクルートを経て京都市議に。2010年、京都党を発足。2020年2月の京都市長選で出馬も惜敗。現在は大正大学客員教授。
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