国産バナナスムージー専門店「バナナの神様」が昨年4月のオープン以降、着実に勢力を拡大している。現在は原宿竹下通り店を中心に首都圏、大阪、福井と11店舗を展開中。人気の秘密は1本1000円、糖度25度という国産無農薬の「神バナナ」を使用しているところ。さらに、食とエンターテインメントを融合させた取り組みが支持されているようだ。
真っ黄色の店内は、まるでバナナワールドに包まれたみたい。壁も、ソファーも、店員のTシャツ、さらにマスクまでもすべてバナナカラーで統一されていた。
運営するのは「バナナの神様(株)」(東京都千代田区)。現在はおしゃれな街、原宿竹下通り店を旗艦店に全国11店舗を展開している。
スタートしたのは昨年4月。副社長の雅南(かなん)ユイさんは「コロナ禍でのスタートとなりましたが、ありがたいことに少しずつ広まって行っています。今後も多くの出店を計画しています」と話す。
支持されている最大の理由は国産の「神バナナ」を惜しみなく使っているところだろう。「アグレボ農法」という特別な栽培方法で育てられ、25度という糖度は一般的な輸入バナナより実に10度も高い。しかも無農薬なので最も栄養価の高い皮まで食べられるという。
スタッフの1人は「まさに神バナナ。低カロリー高タンパク質で19種類ものアミノ酸が入っており、飲む美容液と言っていいですよ」と太鼓判を押す。
ここ竹下通り店の一番人気は、贅沢神様バナナスムージーだ。なんと1杯にバナナ1本の皮を使うので栄養満点。使う牛乳は岩手、葛巻の乳牛のミルクを低温殺菌したもので甘みが強く、マイルドでとても飲みやすい。
スムージーや飲料以外にもパンが楽しめ、クロワッサン、ヴィエノワーズナチュラル、ブリオッシュの3種のパンから好きなものを選び、トッピングにはバナナジャム、バナナの皮ソルト、バナナの皮入りハムマヨ、ツナマヨと選べる。
もっとも、人気の秘密を探っていくと他にもあった。バナナの神様では食とエンターテインメントの融合を掲げ、楽しい場所を提供。「バナナで心も体も元気に」を合い言葉にしており、なんとスタッフの多くがダンサーという。
雅南副社長によると、そもそもコロナ禍の中であえてオープンしたのも、活躍の場を失ったエンタメ業界の人々を救おうとする思いからだったそう。
「コロナと同時タイミングのオープンになり、とても大変でした。そんなとき、ひょんなことから元大手テーマパークダンサーと知り合い、色々お話を聞いていると、エンタテインメント業界もコロナで活躍の場がなくなり、多くのダンサーが踊る場所がなくなっているとのこと。大打撃を受けた飲食業界とエンタメ業界。それだったら力を合わせて、全国が元気になるような面白い仕掛けをしよう!と歩み出しました」
そこで「バナナエンジェルズ」を結成し、ドリンクの提供やグッズを販売するかたわら毎日数回にわたって「バナナダンス」のパフォーマンスを披露している。今回はクリスマスが近いとあって、サンタの衣装を着て、ノリのいいバナナの曲で踊っていた。
まさに、踊るスムージー屋さん。たまたま大阪から遊びに来ていた30代の女性に店の印象を聞いてみると「最初はなぜ、若い女性客の中に男性1人のお客さんがいるのかと思ったんだけど、店内でダンスタイムがあるからなんですね。お目当てのスタッフを応援している姿は微笑ましくもありました。大阪も難波にあるらしいので、のぞいてみます」とキュートな笑顔で答えてくれた。
また、スタッフみんなが主役という意識が浸透しているようで店内にはスタッフ1人1人の写真やキーホルダーが入ったガチャガチャも設置。推しのスタッフとチェキの撮影ができるユニークなメニューも用意されており、カウンターではスムージーなどを味わいながら話をすることもできる。
SDGsへの関心も高く、三井物産とタッグを組み、破棄されるバナナの茎を使って生地を再生。スタッフのTシャツに生まれ変わっているという。さらに、12月7日には新キャラクター「リーダー(仮)」を登場させ、テレビ東京キャラクター「ナナナ」とDA PUMP公式キャラクター「DA PUMKEY」とによるタイアップコラボ企画「三ジューシー」を始動させた。
このプロジェクトではナナナとDA PUMKEYと一緒に美味しいスムージーを求めて、全国を旅する設定。そこで新キャラクター「リーダー(仮)」の名前を公募し、命名者にはバナナスムージー1年間パスポートを進呈するという。
それもこれも、お客さんに楽しんでもらいたいため。この分だと「バナナの神様」の進撃はまだまだ続きそうだ。
(まいどなニュース特約・山本 智行)
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