動物園のサルたちにクレーンゲームを与えたら、使い方を理解して遊ぶようになるのか-?各地でアミューズメント施設を展開する「楽市楽座」が、長崎県の動植物園「長崎バイオパーク」全面協力の下、前代未聞の検証実験に挑んだ動画が公開されている。園内のフサオマキザルの島に、“景品”としてレーズンをぎっしり敷き詰めた1台のクレーンゲームを設置。動画では、サルが操作法を理解し、大好物のレーズンをゲットするまでの衝撃と感動の一部始終を見ることができる。
遊びを通じて学べる場を追求する楽市楽座が、「遊びで猿は進化するのか?」をテーマに企画。オマキザルは自販機でジュースを買うことができるなど、手先が器用で賢いのが特長。海外では、人を介助できるよう訓練する取り組みもある。「このサルならクレーンゲームで遊んでくれるかも」と考えた担当者が同パークに協力を打診。「ウチは特に訓練をしているわけではない。絶対に無理だからやめましょう」と渋るのを粘り強く説得し、実現したという。
オマキザルのエサといえば、同パークではレーズン。そこで景品として大量のレーズンを用意し、縄張りである「猿島」に、安全に配慮して開発した特製のクレーンゲームを置いた。検証班に与えられた時間は、わずか2日間である。
■訪れた奇跡の瞬間(しかも6回)
最初こそ見慣れない筐体とレーズンに興味を示したサルたちだが、ゲームの仕組みがわかるはずもなく、当然遊ぶことなどできない。そこで動画を見せたり、飼育員が実際にプレイして手本を示したり…、さらには「カワイイぬいぐるみで誘惑作戦」や、来園者による「黄色い声援作戦」なども試してみたが、なかなか期待したような結果は出ない。
そして2日目。タイムリミットまで2時間を切り、もうダメかと思われたそのとき、ついに待ちわびた瞬間が訪れる。若手のサル「ダイジュ」が、ゲームを成功させたのだ。「今、我々は奇跡を見た!」。ナレーションのテンションも一気に上がる。
ダイジュは成功後もトライを繰り返し、最終的にはレーズンを6回ゲット。完全にクレーンゲームの遊び方を理解した様子に、見守っていた飼育員や関係者からは驚愕と歓喜のどよめきが起きた。これはもはや「小さな進化」と呼んでも差し支えないのではあるまいか。いやはや、大変なことになってしまった。
■動物園の偉い人も驚き「研究レベルで面白い」
動画では「確かに賢いサルですが、ウチは野生に近い形で飼育しているので無理じゃないかな」「できないと思います」と笑顔で断じていた同パーク取締役CMOの神近公孝さんに、あらためて感想を聞いてみた。
「いや、ビックリしましたね。失敗してもチャレンジしているので、ちゃんと仕組みを理解している。研究レベルで面白い結果です。最初はどうやって断ろうかと思っていたくらいなのに、正直、知的好奇心をくすぐられました」
「可能であれば、もう少し難度を上げて次の段階も試してみたいですね。もしかすると、学会で発表できるレベルの実験になるかもしれませんよ」
えらいこっちゃ。
(まいどなニュース・黒川 裕生)
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