コロナ禍の感染回避の受診控えや医療従事者の休職増加などによって、医療機関の経営・労働環境の悪化が懸念されるなか、経営者の高齢化を背景に「倒産ではなく休業・廃業・解散」というかたちで事業を終える医療機関が近年増加しているそうです。
「帝国データバンク」の調査で、2021年の「医療機関の休廃業・解散」が567件に上り、同年に発生した倒産(法的整理)の17.2倍であることがわかりました。業態別では「診療所」が21.4倍で最多となっているそうです。
2021年の医療機関(病院=病床数20以上、診療所=病床数20未満、歯科医院)の休廃業・解散は567件となり、過去最高水準となりました。前年比では53件増加(10.3%増)し、2019年以降、3年連続で500件を超えました。
業態別の内訳は「病院」が12件(構成比2.1%)、「診療所」が471件(同83.1%)、「歯科医院」が84件(同14.8%)となり、「病院」は前年比8件減(40.0%減)となった一方、「診療所」は60件増(14.6%増)となりました。
2016年以降、各年の休廃業・解散件数と倒産件数を比較すると、2021年の休廃業・解散は倒産の17.2倍(休廃業・解散567件、倒産33件)。業態別でみると、「病院」が12.0倍(休廃業・解散12件、倒産1件)、「診療所」が21.4倍(同471件、同22件)、「歯科医院」が8.4倍(同84件、同10件)となり、診療所の数値の高さが目立っているといいます。
そうしたなか、代表者の年齢を分析すると、60歳以上の構成比は、「病院」が82.0%(60代=31.6%、70代以上=50.4%)、「診療所」が82.5%(同40.5%、同42.0%)、「歯科医院」が58.6%(同38.5%、同20.1%)となり、全国全業種の代表の平均年齢(60.1歳=2020年)を大きく上回っていました。実際、「診療所」の代表者の年齢分布を見ると、2011年は50代が最も多かったですが、2021年は60代が最多となり、世代交代が進んでいないようです。
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調査した帝国データバンクでは「病院は後継者候補が存在しているケースが多いが、診療所と歯科医院は、後継者を置いていないケースが目立つ」と説明。「施設数が突出して多い診療所は、代表者の高齢化が進むことで休廃業・解散件数はさらに増加する可能性が高い。さらに、コロナ対策設備の拡充、人材確保などが大きな課題・負担となってしまい廃業時期を早めるケースも相次ぐだろう」などと述べています。
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