昨年3月23日、北海道旭川市内に住む当時14歳の中学2年生だった廣瀬爽彩(さあや)さんが同市内の公園で凍死した姿で発見され、その2年以上前からいじめに遭っていたことが報じられた。第三者委員会による実態調査が進められているが、爽彩さんが行方不明になってちょうど1年になる2月13日には学校側が「単なる悪ふざけだった」として、いじめを否定する見解であることが報じられた。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は16日、当サイトの取材に対し、1年が過ぎても全く進展しない状況を懸念した。
小川氏は「爽彩さんが行方不明になって1年になる今、北海道新聞がこの問題を取り上げています。報道によると、道教委が『いじめの疑い』で2019年の10月と20年1月、市教委に2度指導しながら、市教委は調査しなかったということです。学校側が『単なる悪ふざけ』として、いじめを否定した見解になっていたことも報じられました」と説明した上で、「2度指導された時に、なぜ市教委がちゃんと対応しなかったのか。そこで対応していれば、3月のこと(爽彩さんの凍死)はなかったはず。本人から聴き取りもしないで『いじめはなかった。悪ふざけだった』なんて言うのは信じられない」と非難した。
爽彩さんは生徒たちに不適切な動画を撮られていたことが判明しているが、小川氏は、そのことに対する学校側の対応についても問題視した。
同氏は「爽彩さんが自分の画像を(生徒たちに)持たれているので学校に行きたくないとして、母親が転校を希望したのに、担任教師は『悪ふざけだから大丈夫』と話を真摯(しんし)に受け止めなかった。どういう画像を持っているのか、先生は知っているはずなのに、どこが『悪ふざけ』なんですか。この先生はどこからが事件だとか犯罪だとか思うのか、頭の中が分かりません。びっくりです。教頭も『(画像を撮られて脅されたとしても)自分なら怖くない』と言ったと母親が証言しましたが、そりゃ、あなたは怖くないでしょう。そういうことじゃない。他人事です」と苦言を呈した。
返す刀で、小川氏は、いじめの加害者に対する北海道警の対応にも言及した。「北海道警は14歳未満の『触法少年』だから罪に問えなかったということですが、児童相談所に通告する等の対応はしたのでしょうか。触法少年に全部背負わせるんですか?」と、生徒たちへのアフターケアもなく、放置したままの状態を批判した。
同市の今津寛介市長は、いじめ問題の真相究明を公言している。小川氏は「非常に期待していますが、市議会全体が同じ方向を向いていない。今津氏の反対派や中間派もいるので、どうなるかは分かりませんが、いじめ問題に関しては党派等抜きに、行政として前向きに考えていただきたい」と呼びかけた。そして、同氏は学校側に対して「まずは爽彩さんとご遺族にきちんと謝罪すべき。先ずはお線香をあげ、献花台に行き、献花することから始まるんじゃないでしょうか?」と提言した。
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