ロシアによるウクライナ侵攻により、ウクライナ発着の航空便は停止しています。一方、鉄道は大健闘しています。ウクライナ鉄道のSNSなどを利用して、鉄道輸送の現状を解説します。
日本の1.6倍の国土を持つウクライナには充実した鉄道網があり、主要交通機関として機能しています。また国際列車も多数運行され、戦争前はベラルーシ、モルドバ、ハンガリー、ポーランドなどから列車が乗り入れていました。
ただしロシアとの直通列車はすでにストップし、首都キエフからロシアが占領しているクリミア半島への列車もありませんでした。
3月7日現在、まだ多くの路線や駅が営業していることがわかります。都市では北東部にある第二都市ハリコフがギリギリの状態。南部を見ると陥落したヘルソンなどが営業を休止しています。
一方、首都キエフ、西ウクライナの主要都市リヴィウ、南部のオデッサは営業中のグリーンマークです。また東部にもグリーンマークがあることから、全体的にウクライナ鉄道は「健闘している」と言っていいでしょう。
■ ウクライナから中欧諸国への3ルート
ウクライナ鉄道ではポーランド、スロバキア方面への列車を運行しています。ウクライナ鉄道は西部のリヴィウから3ルートをすすめています。
1つ目はウクライナ北西部からポーランドに入り、へウム、ルブリン経由でワルシャワへ向かうコース。2つ目はへウムから少し南にあるポーランドのフルビエシュフからザモシチ経由でワルシャワへ向かうコース。3つ目は西南のウージュホロド、チョプを通り、スロバキアのコシツェ、ハンガリーのブダペストへ向かうコースです。
周辺各国の鉄道会社もウクライナ人をサポートしています。ポーランド鉄道ではウクライナのパスポートをスタッフに見せると、2等車が無料になります。このようなウクライナ人への「乗車無料」の措置はイギリスとフランスを結ぶ「ユーロスター」にも及んでいます。
またチェコの私鉄会社Regio Jet(レギオジェット)は他社の協力を得て、チェコの首都プラハとウクライナを結ぶ無料寝台列車を運行しています。この列車は400名が乗車可能とのことです。
■ 12年ぶりに復活したが…
ウクライナ人がポーランドへの移動を助けるために、ポーランド南東部のザグシュからウクライナ方面への鉄道線が12年ぶりに復活しました。ところが3月3日に脱線事故が発生。200人以上が乗っていましたが、けが人はいませんでした。
今後も大量輸送に適した鉄道がウクライナ人の国外への避難をサポートすることでしょう。安全輸送を願うばかりです。
(まいどなニュース特約・新田 浩之)
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