2月から本格的に兵庫県競馬の場内実況・進行役に、木村寿伸(ひさのぶ)アナウンサーが新加入しました。同アナは中央競馬中継「うまDOKI」(KBS京都など、土曜午後3時)のキャスター・実況も務めていました。競馬をこよなく愛する木村アナに実況の難しさを聞きました。
--2月の姫路競馬開催を終え、3月から園田競馬での実況がスタートしました。
「むちゃくちゃ大変です(笑)今39歳で来月40歳になるんですけど、久しぶりにがむしゃらになって何かをやっているなと。競馬の仕事はもちろん今までやっていましたけど、中央と地方の違いも、テレビの実況と場内の実況っていう違いもありますし、同じ競馬の中でもこんなに違うのかって、環境に戸惑う部分が現在進行形であるんですけど、大好きな競馬の仕事なんで、1回1回楽しみながら試行錯誤しながらやれています。まだ『毎日楽しいな』と思うような余裕はないですけど、1日1日、1レース1レース、レースの実況もパドックの進行も、1個1個勉強しながらやっているんで、早くそういう余裕を持ちたいですね」
--どんな魅力を感じましたか?
「昔懐かしい、なんとなく昭和な感じ、平成初期の感じみたいな空気が地方競馬には漂っていると思うんですけど、それを味わえるのが地方のいいところ。たまにお昼ご飯を買いに下に降りていくときも、お客さんの様子も見えます。コロナ禍なんでルールは守りながらですけど、それでも楽しくお酒とかを飲みながら、わちゃわちゃ小さい祭りが行われているようなそういう賑わいはいいなと思います。勝負服も馬主の勝負服じゃなくて、ジョッキーの服っていうのもまた特徴的かなと思うんです」
--園田競馬はどうですか?
「薄暮開催でナイトランを見て、良い意味で別の競馬場にいるような感覚でした。ほぼナイターの実況も初体験。新鮮で楽しかったです」
木村アナは06年にKBS京都に入社。21年にフリーに転身しました。16年間のアナウンサー生活の中で、競馬の実況歴は合わせて15年だそうです。
--今までで1番実況するのが難しかった馬名は何ですか?
「え~なんやろ…。(実況中は)自分がしゃべっているのか人がしゃべっているのを聞いているのか分からなくなりますよね。『スモモモモモモモモ』はこっちで走ったことはないんですけど、その近親が走ったことがあって、わざと実況に入れたことがあります。自分への挑戦みたいな感じで1回入れたことがありました。言いにくかったですけどね。確かにカタカナで、そもそも馬名が難しいのもあるんですけど、どっちかっていうと、勝負服が似ていてとか、そっちの方が難しいんですよね。見ている人は『カタカナ難しそうやな』って思うじゃないですか。それも人によるんですよ。ダ行がすごく苦手な人とか、ナ行と合わさると嫌とか、ラ行が続くと嫌な人とか。競馬実況者でも嫌な馬名の話になると、共通する馬ももちろんいるんですけど『これは俺言えるわ』『これは俺無理やわ』みたいな、分かれるというか、そういうのはあるかもしれないです。でも、難しかった馬はぱっと出てこないな」
--噛まないためのトレーニングなどはありますか?
「あったら教えてほしいくらい(笑)僕も結構早口なほうなんで、そこを気を付けながら、子音のあとの母音をちゃんと意識するとか、1音1音、スピードの中でもちゃんと聞き取れるように。それは場内実況をやるようになってからより意識するようになって、今それと再度改めて向き合っています。年をとってくるとこのへん(頬、顎のあたり)も肉がついてくるんで、動かしながら口の柔軟性を高めながら、はっきり言うことを意識する。そういう意識の置き方は変わった感じはします。昔からですけど、年齢を重ねてからより意識するようになったかな。具体的に『これで滑舌がよくなります。外郎売です』とかそんなんはあんまりないですね」--今後の意気込みをお願いします。
「今までの園田のイメージ、伝統に傷をつけないようにしながらも、やっぱり自分が入ったことによって新しい色というか、今までやってきたこともあるんで、自分らしさがその中でも出れば。あえて出そうとは思っていないですけど、結果的に出たら『こういう実況者もいるんだ』と、そういうふうにとってくれたらありがたいです」
(まいどなニュース特約・N.Ritsu)
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