主演映画『吟ずる者たち』(3月25日公開)で比嘉愛未(35)が演じるのは、東京での生活に疲れ、傷心を抱えて帰郷する独身女性の永峰明日香。実家の酒蔵で日本酒造りに奮闘していくうちに、一人の人間として再生していく。これまで比嘉が多くの作品で演じてきた“わけありヒロイン”の流れをくむ役どころだ。
明日香の健気さとひたむきさ、そして傷心と葛藤を比嘉は巧みに表し、クライマックスに迎える大団円の爽快感を際立たせる。あまりのシンクロ率の高さに役柄のイメージと本人の資質に近しいものがあるのかと思いきや、比嘉は「自分の本質とは真逆」と明るく笑い飛ばす。「初対面の方には必ず『役とのギャップが凄い!』と驚かれる」と明かす比嘉に聞いた、“わけありヒロイン”に抜擢され続けることへの本音を。
■役者としては光栄なこと
これまで演じてきたキャラクターに共通するものとは?と水を向けると「ちょっとだけスムーズにいかない、こじらせているような人物像。真面目ゆえに不器用という設定も多いですね。恋愛でも仕事でも必ず障害が目の前に立ちふさがるし、悲しい何かを背負っていることもある」と素早くカテゴライズする比嘉は「でもこれらは私の本質とはまったく違うもの。自分としても『どうしてこんなに?』と不思議です」と似た属性の役どころばかりに首をかしげる。
しかし本質と違うイメージの役柄を与えられ続けるということは、役者冥利に尽きるともいう。「わけありとかこじらせとか、そういうキャラクターは比嘉さんで…と思い浮かべていただけるのは、これまでに私が演じた役柄が評価されているということ。役者である以上、素の私のままで出るのは意味がないし、プライベートと正反対の役柄の方が演じる面白味もある。役者としては光栄なことです」と俳優としての力量を評価されているようで嬉しい。
演じる上でも視聴者目線でも、マンネリに陥らないために個性の面で変化をつけることを矜持としている。「視聴者の方に『この人、毎回同じじゃない?』と思われるのは悲しい事ですし、私自身も飽きると思うので、毎回必ずチャレンジを取り入れるようにしています。どんどん壊していきたいけれど、求められたものも出さないと意味がない。そのバランスが難しくもあり、やりがいにも繋がります」と絶妙な匙加減と計算によって印象深いキャラが生み出されているようだ。
■魔性の女性を演じてみたい
2月24日に発売した自身6年ぶりの写真集『本心』も話題。要望に応えつつ、新たな姿への脱皮にも意欲的だ。「興味があるのはヒール役。ダメだと思っていても惹かれてしまうような魔性の女性を演じてみたい。わかりやすい悪ではなくて、覗いてみたら深い闇があるような。妖艶な精神的悪女を演じることが出来たら面白そう。今年は様々に自分を試してみたいです」と挑戦を口にする。
本質的には“チャレンジャー”なのだという。30代後半に突入し、今年は年女でもある。「20代の頃は考えすぎて慎重になっていたけれど、本来の私はチャレンジャー。怖いもの知らずのパッションで突き進んでいくタイプでした。様々な経験を積んで30代後半となった今こそ、子供心に戻ったというか、トライ&エラーでOK!という心境にあります。パブリックイメージを否定するのではなく脱皮して、自分にも周りにもワクワクを与えていきたいです」と宣言している。
(まいどなニュース特約・石井 隼人)
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