プロ野球ファンがざわついている-。阪急大阪梅田駅の改札につながる階段やその周辺にある広告のことだ。中央の電光掲示板には、「当てはまる方をご通行ください」の文字。階段を見ると、左に「わたしはすでに阪神タイガースファン」、右に「わたしはこれから阪神タイガースファン」と書かれている。
虎ファン以外は通行止めとも言える階段。他球団のファンからは、現代版の「踏み絵」のようだとの声もある。
広告は、今年から阪神とオフィシャルスポンサー契約を結ぶ「auじぶん銀行」が作成、今月4日から掲載を始めた。「阪神ファンにくすっと笑ってもらえる広告をつくりたかった」と同銀行の担当者。
阪神が優勝への道を駆け上がってほしいとの願いを込めて、階段に広告をつくることに着目。数カ所の場所を検討した結果、見栄えのいい阪急近くになったという。
制作陣にも虎ファンが多いといい、階段周辺の支柱には「阪神タイガース、めっちゃ好きやねん」「さあ、最高の寅年の始まりです」「ここにいる人ほぼ全員が、阪神タイガースファンだと勝手に思っています」など、強すぎる愛ゆえのキャッチコピーを並べた。
「阪急近くで阪神の広告はないやろ~」とやじを飛ばすのは、オリックス・バファローズの一部ファンだ。阪急電鉄と言えば、かつては阪急ブレーブスの親会社で、オリックスはその流れをくんでいる。ただ、阪急は2006年に阪神電鉄と経営統合し、阪急阪神ホールディングスになったという経緯もあり、阪急近くの広告掲載には複雑な思いがあるようだ。
ところで、阪神ファン以外の人はどこを通ればいいのだろう。担当者は「端にあるエスカレーターで通ってもらえればというのは冗談で…」と前置きをしつつ、「他球団のファンの方も野球に興味のない方も気にせず通ってください。広い心でご覧いただければ」と話した。
開幕前に矢野燿大監督が異例の今季限りの退任表明をした阪神だが、開幕から9連敗を喫し、リーグ記録を更新するなど精彩を欠いている。逆境から階段を駆け上がれるか。
広告の掲載は4月10日までの予定。
(まいどなニュース/神戸新聞・山脇 未菜美)
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