世間でも徐々に広く認識されだした発達障害の子どもたちですが、学校と保護者、医師などとの間で連携が取れず、子どもへの適切な対処法が共有できていないケースもあるようです。発達障害のある子どもを育てるシングルマザー、ゆうさん(30代・会社員)も、そのことで悩んでいた一人です。
ゆうさんの子ども、Aくん(13歳)はADHD(注意欠陥多動性障害)と自閉症スペクトラム障害のある中学生です。障害が診断されたのは就学時だったそうで、「知的な遅れもなかったし、ただ元気な子どもだなって思ってました」とゆうさんはいいます。
知的障害がないAくんは療育手帳が交付されず、通級を利用しながら通常学級に在籍しています。突然教室を飛び出してしまったり、同級生とのトラブルも多く、小学生の頃からよく学校に呼び出されることが多かったそうです。
「当時は、支援学級にも通常学級にも息子の居場所がないと感じていたの」とゆうさんは少しつらそうに話します。
■教科ごとに先生が変わる中学校に進学すると…
小学校を卒業し、中学生になったAくん。在籍は通常学級で、週に1度の通級に通うという方法で学校生活がはじまりました。しかし、担任制の小学校と異なり、中学校では教科ごとに先生が変わるため、なかなか慣れることができなかったそうです。
どうしても気分や人との相性が表面化しやすく、相性の合わない先生の教科は成績が振るわないことも出てきたといいます。知的障害がないことから「ただの怠け者」「問題児」として認識されてしまい、学校の対応もあまりよくなかったそうです。
ささいなことでもなにかがあると、「早退させてほしい」「迎えにきてください」と携帯電話や職場に電話がくることが、多いときで週に2、3回もあったそうです。
頻繁な送迎や呼び出しは仕事にも影響を与え、職場に居づらいということになれば最悪の場合、職を失いかねません。ゆうさんはシングルマザーということもあり、子どものためにも経済的に不安定になることだけは避けたいと思い、「どうにかして学校と連携して、対応を変えていかなくては…と考えたんですよね」と話します。
■学校・保護者・医師の三者面談が実現
小学校では学校と保護者に加え、医師と三者で面談を行っており、知能検査の結果や医師の診断書、普段のAくんの行動などを共有していました。
しかし、中学に入ってから医師の診察に学校側が参加することがなく、思い切って担任と学年主任へゆうさんから面談を提案してみたそうです。すると、学校側も「ぜひ医師に聞きたいことがある」とのことで、診察日に面談することができたそうです。
医師との面談を経て、学校のAくんに対する対応が少しずつ変わりはじめたとゆうさんはいいます。Aくんに何か伝えたいことがあるときは、文章にして視覚から伝えたり、ヒートアップしたときは、クールダウンの時間を設けて落ち着いてから話すなど対応をしてくれているそうです。
「知能検査の結果を見せて特徴を伝えてもわかってもらえなかったのに。医師と直接話をしたら対応方法を変えてくれたの。保護者だけじゃなく専門家の意見を直接聞いてもらって理解を得ることが大切なのかもしれない」と話していました。
(まいどなニュース特約・長岡 杏果)
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