新潟県にある老舗遊園地「サントピアワールド」の公式アカウント(@Suntopia_World)が、「やばい 大ピンチです」のコメントとともに公開した稟議書が波紋を広げています。本来「社外秘」である稟議書をさらけ出したのは、原油や天然ガスの価格高騰などを背景に物価上昇の波が押し寄せる中、「電気料金が2倍になる」という事実を広く知ってほしかったからと言います。高橋修園長に意図を聞きました。
新潟県阿賀野市にある「サントピアワールド」は40年以上にわたって地元民に親しまれているローカル遊園地です。冬は積雪で営業できないため、新型コロナウイルス禍前は春から秋のシーズンに収益を確保してきましたが、コロナ流行以降は休業せざるを得ず、経営は悪化。クラウドファンディングで寄せられた資金を施設の維持や管理にあてるなどして苦境を乗り切ろうとしています。
さらなる窮地を明かしたのは、6月14日のツイートでした。年間の電気料金が現在の1820万円から3580万円になることの社内合意をとりまとめた稟議書を公開したのです。同園によると、契約している電力会社から値上げの案内があったのは4月。先方は7月から適用したい考えで、5月内の返答を求められました。「大幅な値上げではありますが、現状では他会社と新規電力契約を結ぶことも困難な状況にあります」として、値上げをのんだことを明かしました。
これまでにも「来てくれないと、つぶれるよ!」と銘打った企画「ぎりぎりアトラクション!」を展開したこともある同園長の高橋さんに聞きました。
ー稟議書の公開、驚きました
「まず申し上げたいのは、値上げを打診してきた会社を非難する意図は一切ないということです。一方、電気代の大幅値上げに直面している弊社とほぼ同じことが全国で起きているのではないでしょうか。値上げを報じるニュースは、食品やガソリンが目につきますが、電気代の高騰も知ってほしくツイートしました」
ー電気代以外にも影響は
「ガソリンや軽油の燃料価格や飲食の材料費などあらゆるものが値上がりしています。一部の照明を落とすなどして節電にも取り組んでいますが、企業努力だけではとても吸収することはできません。私自身製造業に携わった経験がありますが、今回の物価上昇はこれまで以上の厳しさを感じます」
ーTwitterのアンケートを実施、7月からの入園料値上げを発表しました
「『値上がりしたら?』というアンケートには4人に3人の方が『それでも応援するよ』と答えてくださり、従業員一同安堵しました。多くのコメントを読み、サントピアは皆さんの大切な思い出が詰まった場所なのだとあらためて痛感しました。そのためにも従業員が力を合わせてこの危機を乗り切らねばと思いを新たにしました。大変心苦しいですが、7月1日からの入園料の値上げにご理解ください」
■値上げ発表翌日に新しいホスピタリティ宣言
値上げ発表翌日の17日、公式アカウントは「昨日値上げを発表させていただきましたが、それで終わるのはサントピアらしくない!そう思いました。そこで、値上げ以上にホスピタリティを高め、お客さまに喜んでいただくための新たな宣言をします。【新サントピア宣言】。できることから始めます!温かく見守ってください!」と力強くツイートしました。
【新サントピア宣言】
1.お辞儀を5度深くします
2.必要以上に笑顔を振りまきます
3.お腹が痛くても爽やかに接客します
4.ご案内には、ちょっといい声を出します
5.厨房では美味しくなる魔法を唱えます
6.心も園内もクリーンにします
7.お客様に足を向けて寝ません
苦境の中でもユーモアを忘れない「サントピアワールド」と従業員の皆さんに、SNSでは「今年は子供たちを連れて遊びに行きます!」「県民はこの古き良き伝統のある遊園地を守って行くしかない」などのエールが上がっています。夏休みの旅行は、新潟方面を検討してはいかがでしょうか。
(まいどなニュース・竹内 章)
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