炎天下、神戸都心部を取材で歩く。
三宮から西へ、日陰を求めてさまよい歩いていると、あった。助かった。JR元町駅の南側、高架下の歩道の上にひさしが続いている。これはありがたい、と西へ歩を進める。耐震補強工事のせいか、コロナ禍のせいか、高架下の店舗はほとんどが姿を消し、名店として知られた老舗の台湾料理店「丸玉食堂」も6月中旬で閉店してしまった。
ずいぶん活気がなくなったなぁと思いながら、むき出しになった高架柱を眺める。上を覆うひさしだが、ひさしにしては位置が高すぎないか。しかも高架柱から腕を伸ばすように突きだした土台の上に架けられている。もしかして、これはホームの跡、骨組みでは? と調べてみると、知る人ぞ知るJR元町駅の下りホームの跡だった。
元町駅付近のJR神戸線(東海道本線)は上下4本の線路が通っている。
旧国鉄時代、元町駅は内側線(快速や普通電車が走る)の上下線に挟まれた島式のホームが1面あり、外側線(新快速や特急、貨物列車が走る)には上下それぞれの線路にホームが1面ずつ配置されていた駅だった。それが、1960年代に現在の形(島式ホーム2面)に改修されたのだという。
往時の様子は、たまたま読んだ村上しほりさんの著書「神戸 闇市からの復興 占領下にせめぎあう都市空間」(慶應義塾大学出版会)の表紙写真を見ていただくと、イメージしやすいかと思う。この写真の撮影時期は1946(昭和21)年の初頭とある。
外側線の上下線にそれぞれあったホームは撤去されたが、北側(山手)が神戸高速鉄道の建設工事などで早くに撤去されたのに対し、南側(浜手)はしばらくの間残され、撤去後も骨組みが残っているというわけだ。ホーム跡の床板は掛け替えられているようだが、往時をしのぶ姿は元町駅南側のJRAのウインズ神戸からも眺めることができるし、6月に閉店した丸玉食堂の西側にはホームからの階段跡のような斜めの切れ込みを目にすることもできる。耐震補強工事が終われば、こうした「遺構」も再び覆われてしまうのだろうか。
ひさしの下を散歩しながら、元町が(今よりも)にぎやかだったころに、しばしタイムスリップ。
(まいどなニュース/神戸新聞・長沼 隆之)
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