さかなクンの半生が映画になった!
「さかなのこ」(沖田修一監督、9月1日公開)でさかなクンを演じるのは、女優ののんさん。このキャスティングを聞いて、「え?」と戸惑った人も少なくないだろう。何を隠そう、のんさん自身もそうらしい。「みなさんが『女の子なの?』と驚いたのと同じように、私も最初はびっくりしました。でも『私が演じていいんだ!』という喜びの方が大きかったし、よく考えてみたら、さかなクンを演じてしっくりくる人は、のん以外にいない。絶対やりたい!と思いました」。とにかく公開が待ち遠しいと目を輝かせるのんさんに、映画の見どころや、NHKの朝ドラ「あまちゃん」(2013年)からこれまでの「壮絶だった」という道のりなどについて話を聞いた。
「さかなのこ」は、さかなクンの自伝的エッセイ「さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~」を原作に、「南極料理人」(2009年)や「横道世之助」(2013年)、「子供はわかってあげない」(2021年)などで知られる沖田監督が映画化。後にさかなクンとして人気者になるミー坊が、身近な人たちの理解に支えられながら自分の「好き」を貫き、新たな道を切り開いていく姿が描かれている。
■“ヒーロー”を演じたい
映画の冒頭にドーンと映し出されるのは、「男か女かはどっちでもいい」という力強い手書きの文字。のんさんによると、これは沖田監督が掲げた本作のスローガンなのだという。
「本読みの段階で監督が作品の方向性を明確にしてくださったので、私は『お魚好きのミー坊』を全力で演じればいいんだな、と安心して撮影に臨めました。男だからとか女だからとか、演じる側としてはそういう解釈は全くしていません」
「私はヒーロー願望が強くて、実はこれまでも『男の人がやっている役は、のんもできるんじゃないかな』『この物語は男性キャラクターだけど、女性でも成立しそうだな』と思うことがよくあったんです。性別云々じゃなくて、物語で“ヒーロー”のポジションをやってみたいとも思っていました。だからこの映画でミー坊を演じられたのは、本当に幸せでした」
■沖田監督との現場、さかなクンとの出会い
のんさんは、以前から沖田監督の大ファンだったという。
「楽しい映画が大好きなんです。沖田監督の描くコメディは、人間のおかしさがにじみ出ているところがお茶目で、面白くて、本当にグッときます。私は特に『キツツキと雨』(2012年)がめちゃくちゃ好きなんですけど、木こり役の役所広司さんがゾンビのメイクをしたまま待ちぼうけを食わされて草をむしったりするシーン…ああいうチャーミングな描写がたまらないですね」
「『さかなのこ』で言えば、ミー坊に翻弄されるヤンキーたちのやりとりがツボです。彼らはいかにも不良らしく虚勢を張っているのに、マイペースなミー坊が相手だと調子を崩されるのでカッコつけられない。『クローズZERO』(2007年)みたいな乱闘シーンもあるんですが、扇子で叩いたりとか、全体的にモタッとしていて全然カッコいいアクションになっていません(笑)。沖田監督は、人間のそういう滑稽なところをまっすぐに面白がっているところがいいなあと思います。視点が“いたずらっ子”みたいというか。現場にいる間、ずーっと面白かったです」
原作者のさかなクンは、魚に詳しくてちょっと怪しい「ギョギョおじさん」として本作に出演。ちなみにのんさんとさかなクンは「あまちゃん」でも共演している。アキ(のん)が出演する架空の子供向け番組「見つけてこわそう」で、パートナーを務めたのがさかなクン(本人)だったのだ。
「『あまちゃん』で初めてお会いしたとき、『みんなを幸せにするパワーを持っている人だな』と感じました。撮影後半で疲れていても、さかなクンが来ると『よし頑張ろう』と一気に場が明るくなる。いつも飛び跳ねてくれるし(笑)。さかなクンはみんなのヒーローです」
■「あまちゃん」から10年、唯一無二の存在に
その「あまちゃん」でのんさんが大ブレイクしてから、来年でもう10年になる。のんさんは先月、29歳に。その間、映画や舞台、音楽、「創作あーちすと」としての活動など、まさに「好き」を貫き、新たな道を切り開いてきた。
どんな10年だったのかをあらためて聞いてみると、のんさんは「壮絶な10年でしたね」と即答した後、印象深い作品や人との出会いについて語ってくれた。
「『あまちゃん』は自分のことをたくさんの人に知ってもらえた作品なので、これからも自分の中にずっと残っていくと思います。のんになってからは、『この世界の片隅に』(2016年)という本当に素晴らしい作品に参加できたことが宝物。『この世界-』の片渕須直監督には、作品に向き合う姿勢や愛情など、たくさんのことを教えていただきました。片渕監督との出会いは、自分にとってすごく大きな意味があることだと思っています」
「『私をくいとめて』(2020年)もフランスで公開されて、評判がいいみたいで。なんか…いい作品にしか出ていないですね(笑)。『さかなのこ』も、きっと特別な作品になるという予感があるんです。『好き』を貫く、というメッセージは、見てくれる人たちにまっすぐ届くはず。魚を締めたり、タコのちょっとバイオレンスなシーンがあったりもしますが(笑)、家族みんなで楽しんでもらえたら嬉しいです」
◇ ◇
「さかなのこ」は9月1日、全国公開。
(まいどなニュース・黒川 裕生)
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