長崎市内の飲食店で6月上旬ごろ、行き倒れていた三毛の親子猫2匹が保護されました。当時母猫は推定1歳くらい、子猫は2カ月弱ほど。2匹はラクちゃん、レーちゃんと名付けられました。
保護したのは、動物愛護団体「R&G長崎の保健所の命を救う会」(同市)の代表でプロアニマルレスキュー隊の浦川たつのりさん。飲食店の店主から「店先の植え込みに親子らしい猫2匹がほとんど動かずに行き倒れている。その子たちを助けてください」との連絡を受けたといいます。
浦川さんが現場に駆け付けたところ、2匹は近付いても少し顔を上げるくらいでほとんど動かない状態・・・ひどく衰弱していました。動物病院に急行し、血液検査で重度の貧血と判明。獣医師から「栄養のあるものを食べさせてください」と言われ、浦川さんの保護シェルターで親子はケアを受けました。
「子猫のレーちゃんはものすごく痩せていて、栄養不良が原因で貧血になったようでした。日に日に改善していきましたが、母猫のラクちゃんだけはずっと貧血が続いていました。どうしたものだろうと病院に相談しようと思っていた矢先、ラクちゃんの病状が急変したんです」(浦川さん)
■保護して2週間後、母猫の体温が27度まで低下・・・一命を取り留めた
保護して2週間ほど経った6月中旬ごろ、ラクちゃんは貧血の症状がひどく出てしまいふらふらに。その翌朝には低体温状態となり、再び病院へ急行。詳しい検査を行ったところ、血液の病気が見つかりました。
「新たに見つかったのは、体中に酸素を運ぶ赤血球などが骨髄でつくられない血液の病気。再生不良性貧血といわれるようです。そのとき体温は27度にまで低下して死にかけました。即入院となり酸素室に入り造血剤を打ってもらいましたが、先生から『今夜が峠かもしれません』と宣告されて。子猫を残して逝くなよ・・・と心の中で祈りました」
数日生死をさまよったというラクちゃん。浦川さんの祈りが届いたのか何とか一命を取り留めて、1週間後に無事退院しました。ただ、造血機能が自然に回復することは難しく、その後も病状が悪化して入退院を繰り返したそうです。
「退院後の1カ月ほどは何度か病状が悪化したものの、ようやく今は改善してきました。造血剤を打ち続けて栄養を取れば、ある程度赤血球がつくられるので。2週間に1度造血剤を打っている状況です」
■子猫は里親さんのところへ 愛護団体が母猫の闘病生活を支えていく
これからもラクちゃんは治療を続けていくこともあり、保護依頼をした飲食店の店主がレーちゃんの里親に名乗り出てくれたとか。浦川さんは「行き倒れながらもレーちゃんを必死に育ててきたラクちゃん。レーちゃんが幸せになったので、ラクちゃんもひと安心かと思います。またラクちゃんは右前足が骨折した痕があり、変な方向に曲がった形でくっついていましたが・・・それは治療が必要ないようです。これまで白血病を抱えた猫ちゃんなど看病をした経験も踏まえながら、できる限りのことを尽くしたい」と話してくれました。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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