「京都着倒れ、大阪食い倒れ」と言われるが、今や京都でも着物姿は珍しくなり、若者はファストファッションに身を包み、「京都着倒れ」という実感値は余りない。じゃあ、何なんだ?ということになるが、先日京都市統計を見ていると、実は「食い倒れているのでは?」と疑問がふつふつと湧いてきたので勝手に「京都食い倒れ説」を検証したい。
■京都府が謎のピーマン支出額1位
まず、京都市の統計に食費年間平均支出額ランキングという指標がある。これによると、京都府はコーヒー、ピーマン、なすの支出額が全国一だ。ちなみに、コーヒーが1位なのは観光客が一息入れるときに消費する分や大学の街(学生と言えば喫茶店!的な)という側面によるものが多いようだ。なすは、「お茄子の炊いたん」や「茄子田楽」など京都のおばんざいとしてはメジャーな食材でなるほどなと思う。
京都人の感覚として一番謎だったのはピーマンだが、よくよく調べると京都の家庭ではよく目にする「万願寺とうがらし」もピーマンに含まれるという説明を見て納得した。ここまではいいのだが、それ以降のランキングを見ると、牛肉、野菜類、牛乳、バナナ、コロッケ、油揚げ、ソースなどなど多岐に渡り全国2位、パン、肉類、昆布などが3位、その他乾物4位、小麦5位、魚介類やうどんそばが10位と多種多様なジャンルにわたって10位以内を京都が独占をしている。
■エンゲル係数が異常に高い京都
「京都人、めちゃくちゃ食に金掛けてないか?」
それもそのはず、2018年の都道府県別エンゲル係数(所得に対する食費の割合)でみると、実は30.5%で日本一なのは京都府なのだ。ちなみに、2位が30.1%の兵庫県、3位が30.0%の大阪府と続く。2020年には1位大阪府31.2%、2位京都府31.1%と食い倒れの街大阪に後塵を拝しているが、その差は0.1ポイントとほぼ同列なのだ。エンゲル係数からみると、とにかく京阪神は全国の中でとにかく高い。通常、エンゲル係数は生活水準をみる指標としてよく活用され、「食費に占める割合が高い=生活が苦しい」という理解がされるが、京阪神の場合、所得が低いというわけでも物価が高いというわけではなく、ただ関西人はそれ以外の土地の人に比べて食に金を掛けるというわけだ。
■京都のもうひとつの楽しみ、食文化
もうひとつ、「おいしいもの」という視点でミシュランの掲載店舗も見ておきたい。
2020年のミシュラン掲載店舗数
1位 東京 226軒
2位 パリ 119軒
3位 京都 106軒
4位 大阪 96軒
5位 ニューヨーク 76軒
2020年ミシュラン3つ星店舗数
1位 東京 13軒
2位 パリ 10軒
3位 京都 7軒
3位 サンフランシスコ 7軒
5位 香港 6軒
ここでもミシュランのお膝元であるパリと遜色のない店舗数を有して京都が三位につけており、三ツ星レストランの数でも世界三位という多さだ。ちなみに京都ではミシュラン掲載を拒否する店舗がしばしばあるのも有名な話で実際はもっと美味しい店はあるだろう。
結論、京都は大阪に負けない食い倒れの街だった。京都にお越しの際は、観光地巡りだけでなく食い倒れの街ならではのグルメツアーも楽しんで頂きたい。
◆村山 祥栄(むらやま・しょうえい)前京都市会議員、大正大学客員教授。1978年京都市生まれ。専修大学在学中は松沢成文氏の秘書を務める。リクルートを経て京都市議に。2010年、京都党を発足。2020年2月の京都市長選で出馬も惜敗。現在は大正大学客員教授。
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