メルちゃん(1歳・メス)は、2021年5月、近畿地方に住むねこ福さんの、義実家の中庭に現れた。栄養状態が悪いようでガリガリに痩せていて、顔には傷跡があり、目は炎症を起こしていて、野良猫のようだった。
「生後6カ月くらいのメス猫で、もしも外で妊娠、出産をしたら、子猫を育てることはおろかメル自身も生きていくのが難しいと思い保護することにしました」
メルちゃんに出会った時、ねこ福さんは愛猫を病気で亡くして4カ月経った頃だった。食べたくても食べる気力がなく痩せていく猫の姿を見るのは本当に辛かったという。
「まだその子を亡くした喪失感も癒えない時でしたが、ガリガリに痩せたメルを見た時、食べさせないとこの子は死んでしまう。保護した後のことはその時考えればいい。今はこの子を救いたいと思いました」
メルちゃんは警戒心が強く、フードを中庭に置いても毎日来ることはなかった。ねこ福さんは、キャリーケースの中にフードを入れて、扉を開けたままにして、警戒せずに食べてくれるようになるのを待った。2カ月後の7月末、やっと無事捕獲できたという。
■機嫌よく過ごせる家
獣医師に診てもらうと、「この子は治療も人馴れも相当時間がかかるだろうけど、一つ一つ解決していくしかない」と言われた。メルちゃんは数カ月に渡って通院した。
メルちゃんはねこ福さん宅で一年以上暮らしているが、まだ人への警戒心があり、触れることも容易ではない。ねこ福さん夫妻は、できるだけストレスを与えず、機嫌よく過ごしてもらえる環境を整えることにした。
「リビングでも安心してくつろげるように、人の手が届かない位置に夫がキャットウォークを作ってくれました。部屋は全部いつも解放して、猫用ベッドや爪研ぎを複数置いて、好きな場所を選べるようにしました」
その甲斐あって、メルちゃんは、今では目の前でぽっちゃりお腹を見せておもちゃにじゃれ付き、キャットウォークの上で手脚を投げ出して爆睡する。ねこ福さんは、これからメルちゃんがどう変わっていくのか楽しみにしている。
■人馴れしないが、楽しそうに暮らす
メルちゃんはねこ福さんが初めて自分で保護した猫。「当初は、保護猫を世話した経験もなく、自信もない私が捕まえてごめん」と思ったこともある。
「角膜潰瘍の治療のため、押さえつけて目薬を一日4、5回点眼しなければならず、『これは目が治っても嫌われるな~』、と虚しい気持ちにもなりました」
しかし、角膜潰瘍も治り、家の中でのんびりくつろぐメルちゃんを見ていると、「あの時保護して本当に良かった」と思えるのだという。
その後、ねこ福さんは、義実家の中庭に現れたオスの成猫も保護した。怪我をしていたので、現在治療しながら家猫修行をしている。怪我が治ったら、ねこ福さんの実家に行く予定になっている。
「ためらわずに保護できたのは、野良猫だったメルが楽しそうに過ごす姿を見せてくれるおかげだと思います」
メルちゃんは先住猫のノアくんと暮らしているが、目が覚めてノアくんの姿が見当たらないと鳴きながら家中探す。おしゃべりで、特に用がない時でも床に転がりながらウニャウニャ呟いている。
ねこ福さんはメルちゃんに大切なことを教えてもらったという。
「人に馴れない子はダメなんかじゃない、個性なんです。家庭内野良とかネガティブなイメージで捉えずに、『人に甘える必要がないんだね』と緩く受け止めてもらえるといいなと思います」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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