ベルくん(2歳2カ月・オス)は、2020年10月、農業用のタンクに兄弟猫と一緒にいたところ、地元の人に偶然発見された。タンクの片側には水が溜まっていたが、ベルくんたちは水が溜まっていないところで身を寄せ合っていた。レスキューした人は、「うちで飼うことはできないが、助けたい」と、保護団体に相談したという。
■直感で「この子!」
2020年、片桐さんは病気をして落ち込んでいた。もともと猫が好きな夫と動物が大好きな姉が、「譲渡会に行かない?」と誘ってくれた。2021年1月9日、片桐さんは譲渡会でベルちゃんと出会った。兄弟猫は既に里親が決まって、家族のもとに行っていた。片桐さんは、ベルくんのきれいにグラデーションがかかった青い目に一目惚れ。直感で「この子!」と思い、迎えることにしたという。
1月15日、ボランティアさんがベルくんを家に連れてきてくれた。生後半年くらいだった。初日から全く物怖じすることなく、部屋を探検して、伸び伸びしていたそうだ。
片桐さんは猫部屋でベルくんをフリーにしていたが、いたずらで猫砂を食べてしまうことがあった。そのため片桐さんは、夜はベルくんと一緒に寝るようにしたが、人間が寝ると構って欲しいのか寂しいのか、ベルくんは顔の真横で鳴き続けたり、足や顔を噛んだりしてきた。
「なかなか眠れず睡眠不足になり、体がしんどくなってきたのですが、かかりつけの獣医師に相談すると分離不安症だと言われました。動物病院で勧められたサプリを飲ませて、保護団体の方からは接し方などをアドバイスしてもらい、なんとか乗り越えることができました」
■私の片割れ
ベルくんを迎えて片桐さんの生活は180度変わった。夫婦で旅行に行くこともなくなり、どちらかが必ず家にいるようにしている。インテリアなども、いたずらしたり怪我をしたりするといけないので、危険性がほんの少しでもあるものは全て隠すか蓋付きのケースに入れ、猫が安全に暮らすための家になったという。
「今までは、ただ生活のためだけに仕事をしていましたが、ベルを迎えてから、『この子のために頑張らなくちゃ!』と頑張れるようになりました」
片桐さんにとってベルくんは、自分の片割れのような、ただそこにいてくれるだけで愛おしい存在なんだという。ベルくんは甘えん坊のママっ子で、ヤンチャ坊主でもある。
片桐さんは、「猫を迎える前と後では比べ物にならないくらい彩り豊かで幸せな毎日です。自分の人生がこんなに幸せだなんて、数年前は思いもしませんでした」と言う。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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