新ひょうごの医療

楠木重範院長
AYA世代のがん患者らはピアサポートでどんな悩みを語り、どのようにして前向きな気持ちが引き出され、解決策を見出すのか。小児診療所「チャイルド・ケモ・クリニック」(神戸市中央区)院長で、ピアサポートプログラムを主導する楠木重範さん(43)に聞いた。
AYA世代、とりわけ思春期は「私は何者なのか」という考えを巡らせます。ゆえに、病気になった自身を「欠陥がある」と卑下しがちです。治療面で必要な配慮を受けながら社会生活を送れるものの、学校や職場で「さぼっている」と見なされることがあります。友達と疎遠になったり、恋愛に踏み出せなかったり、子どもができない可能性から結婚をためらったり、と悩みはさまざまです。これらが命の危険に加え、大きくのしかかってくるのです。
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- シリーズ16 AYA世代のがん
2018/11/3~2018/11/24
「新ひょうごの医療」シリーズ16は、「AYA(アヤ)世代」のがんを取り上げる。AYA世代は、おおむね15歳から30代の年代を指し、日本のがん医療で近年注目されるキーワード。小児や中高年の患者に比べて治療法の開発が遅れがちな上、心身の成長や進学、就職、出産といった人生の節目とも重なり、悩みも大きい。

