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阪神・淡路大震災で復興区画整理事業の指定を受けた十八地区のうち唯一、事業計画が未決定の神戸市東灘区森南町二丁目で、地元の「森南町・本山中町まちづくり協議会」(山口正夫代表)は九日、神戸市にまちづくり提案を出した。提案は神戸市が示した修正案にほぼ沿った内容。震災直後の都市計画決定から間もなく四年を前に、曲折を重ねてきた復興区画整理事業は、すべての地区で始動する。
提案は、当初計画の十七メートル道路を廃止、JR神戸線南側の道路を九メートルに拡幅する。また市道本庄本山線(稲荷筋)の歩道を一メートル広げるなどの内容。減歩率は最大二・五%。
森南地区は、市との協議方針をめぐってまちづくり協議会が三分裂。「森南町・本山中町まちづくり協議会」は、二丁目と本山中町一丁目からなるが、本山側は隣接する森南町三丁目と「森南第二地区」として先に事業計画決定。残る二丁目は、昨年九月にまちづくり原案を作成。住民集会やアンケート実施など合意形成に取り組み、昨年十一月の住民集会でまちづくり案提出の承認を得ていた。
この日、山口代表ら協議会の役員ら八人が市役所を訪れ、内田恒・区画整理部長にまちづくり案を手渡した。
提案に際し、山口代表は「他の地区で事業が進む中、私たちが結論を出すまでには四年の月日が必要だった。今後は、事業ができるだけ早く進むよう市にも協力をお願いしたい」と話した。
内田部長は「過去のことは過去のこととして、他の地区の進ちょく状況に追いつくよう、手続きを迅速に進めたい。これからが正念場であり、協議会とも相談しながら事業を進めたい」と答えた。
神戸市は、都市計画決定の変更案を縦覧後、すみやかに都計審に諮り、事業計画決定の手続きを急ぐ。市によると、事業計画決定後、事業終了まで順調に進んで三年はかかるという。
1999/3/10