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阪神・淡路大震災の仮設住宅に残る被災者の三人に一人、転居先の災害復興公営住宅入居者の四人に一人が、地震の恐怖を思い出し就寝中に目を覚ますなど、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の可能性があることが十三日、兵庫県の行った第三回「被災世帯健康調査」でわかった。「うつ傾向」の人も仮設で十人に一人の割合に上っており、調査に当たった同県健康増進課は「家庭訪問など心のケア支援をさらに充実させたい」としている。
調査は昨年九・十月、神戸、姫路、尼崎の各市を除く十一市八町で、仮設と復興公営の居住者を対象に行い、保健婦らが持病の治療状況や精神面の健康状況などを聞いた。有効回答は仮設八百十七件、復興公営は六千二百四十八件。
その結果、「理由がないのに取り乱すことがある」「不安から寝付きが悪い」などPTSDの兆候を示した被災者が、仮設で三五%、復興公営でも二六%いた。さらに、仮設で一〇%、復興公営で六%に、一人で閉じこもりがちになるなど「うつ傾向」が見られた。
健康状態を尋ねた設問では、「あまりよくない・よくない」は仮設四一%(前回比二%増)、復興公営三二%(同二%減)。仮設、復興公営とも約六〇%の入居者が何らかの疾病を抱えているという。
飲酒状況は、「問題飲酒予備群」が前回より五・七%減の各二〇%前後。「重篤」は微増で、仮設一二%、復興公営九%だった。
健康状態については、全体的に改善されているといい、食事に関しても「摂取状況に問題がある」は、仮設で一二%、復興公営で八%となり、いずれも前回より約二〇%減少している。
1999/4/14