神戸デパート物語 復興再開発のまちから
神戸の下町、長田。国道沿いに「神戸デパート」があった。一九六五年のオープン。以来、周辺の大正筋、六間道などの商店街とともに「西の商都」としてにぎわった。阪神・淡路大震災で全壊の認定を受け、解体。現在、周囲は再開発事業の網がかかる。広さ二〇・一ヘクタール。全国最大級の規模だ。同デパートには、量販店など大型店二店と三十五の個人店舗が入っていた。震災から間もなく八年。個人店舗のうち十店が廃業、二十五店が場所を変え営業を続ける。高齢化、商売の展望、地域の将来。ないまぜになった思いを抱えながら、再開発事業を見詰める商店主たちを追った。