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阪神・淡路大震災の被災者向けに借り上げた県営復興住宅(借り上げ住宅)が2016年度から返還期限を迎える問題で、兵庫県は22日、入居者の住み替えに向けた住宅の紹介や支援金の支給を始める、と発表した。26日から順次、全戸に通知し、併せて意向調査票の返信を求め、一部住宅の買い取りの検討も進める。
兵庫県は震災後、最長20年の契約で都市再生機構(UR=旧住宅・都市整備公団)から住宅を借り上げ、被災者に提供。7月末現在、神戸や尼崎、西宮、明石の37団地に2100世帯が入居する。
円滑な住み替えを支援するため、全入居者に住み替え先の県営住宅(50~100戸)の候補一覧を郵送。希望の住宅があれば9月下旬まで応募を受け付ける(応募多数なら抽選)。今後、半年ごとに一覧を送付するほか、住み替えで家賃が上がる場合、一定期間の家賃減額も実施する。
8月末以降、期限満了までに住み替えた入居者には支援金12万円を支給。満了日の2年以上前に住み替えれば支援金を増額し18万円、3年以上前は24万円、4年以上前なら30万円を支給する。単身世帯の支給額はいずれも4分の3の額となる。
県営住宅の建て替えで転居を求める際は支援を行っているが、住み替えでの支給は異例。震災復興で仮設住宅の解消に協力を得たことなどを踏まえ、支給を決めた。
一方、県が昨年実施した意向調査では、半数近い47%が病気や通院の利便性を理由に「住み替えが困難」と回答。県は一部住宅の買い取りを検討しているが、今回返信を求める調査票も加味した上で、さらに協議を進める。支援策については兵庫県住宅管理課TEL078・230・8464
(井関 徹)
2011/8/23