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阪神・淡路大震災から丸17年を迎える来年1月を中心に、市民団体などが開く民間の追悼行事が69件に上ることが27日、「市民による追悼行事を考える会」のまとめで分かった。東日本大震災から1年の3月11日前後に予定する団体もあるため開催時期は分散傾向で、東北と阪神・淡路をつなぐ催しが目立つ。学校・幼稚園の取り組みは防災訓練などが増え、過去最多となる見込み。(井関 徹)
同会は被災地のNPO法人や各種団体で1998年につくり、市民の自主的な追悼関連行事の継続を呼び掛けている。今年は東日本大震災を受け、各団体に1~3月の行事開催を提案した。
同会によると、追悼関連行事は今年より4件少ない69件。神戸や阪神間で例年行われる追悼集会やウオーク、コンサートに加え、原子力発電について学ぶ講演会や地震・津波に備える学習会など、東日本の教訓を伝える行事が目立つ。
行事の主催団体には、東北の被災地支援などを行っている団体も多い。3月11日前後に予定されている行事では、東日本と阪神・淡路の被災者が色紙などを交換して励まし合うイベントや、宮城県から語り部を招く講演会もある。
このほか県内の学校・幼稚園では、1508校園が関連行事を予定し、今年より155校園増える。同会は「東日本大震災で避難中に児童らが犠牲になったこともあり、津波を想定した避難訓練などの開催が広がったのでは」と分析する。
また商店街やスーパーなどでの黙とうは今年より2件少ない425件。1月17日正午に鐘などをつく寺院、教会、廟(びょう)は3件増えて165件となる。神戸港などでは20隻の船舶が汽笛を鳴らす。
同会は「3・11を自分たちの経験と重ねて考える団体が多く、震災を語り継ごうという思いは今も強い」としている。
2011/12/28