第1部 創業のころ
かつて「日本にスズキあり」といわれた総合商社、鈴木商店。神戸港の発展と軌を一にするように明治から大正にかけて驚異的な多角化を遂げた。昭和初期の金融恐慌で破綻するが、60社を超える企業を育て日本の産業近代化に貢献した。来年、神戸港が「開港150年」を迎えるのを機に波乱の歴史と鈴木が残したものをたどり、激動する時代を生き抜くヒントを探る。連載の本編初回は、鈴木関係者が今も心のよりどころとする一通の手紙から始めたい。
◆関係者の親睦会「辰巳会・鈴木商店記念館」の取材協力、一部写真の提供を受けています。