
鈴木よねが創立に関わった神戸市立女子商業学校の流れをくむ市立神港高校=神戸市兵庫区会下山町3(撮影・田中靖浩)
1世紀ぶりのプレゼントは、約130本の杉とヒノキだった。ことし2月、神戸市立神港(しんこう)高校(神戸市兵庫区)に鈴木商店直系の後継企業、太陽鉱工(こうこう)(同市中央区)が材木を寄贈した。同校は約100年前の1917(大正6)年に開校した市立女子商業学校を源流の一つとする。設立に当たり、鈴木商店の店主鈴木よねが多額の寄付をした。そのひ孫、鈴木一誠(かずのぶ)(69)が太陽鉱工の社長だ。鉄の加工に欠かせない添加剤を製造している。今春、同校は市立兵庫商業高(同市北区)と再編・統合され、神港橘(たちばな)高(同市兵庫区)となった。杉とヒノキは今月末に完成する新校舎の和室に使われる。
「よねはあの時代に女子教育の必要性を痛感していた。身内から見てもすごいと思う」と一誠。「お家(いえ)さん」と敬われたよねはどのような女性だったのか。
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