深刻な農業被害をもたらすイノシシ。今回、箱わなにかかった個体は149キロもあった=南あわじ市倭文高(木曽勝己さん提供)
深刻な農業被害をもたらすイノシシ。今回、箱わなにかかった個体は149キロもあった=南あわじ市倭文高(木曽勝己さん提供)

 兵庫県南あわじ市の倭文地区で体重149キロ、体長150センチの雄のイノシシが捕獲された。市鳥獣対策室によると、駆除されるイノシシの多くは40キロ以下で、大型でも100キロ余りといい、「これほどのサイズは聞いたことがない」と驚く。(劉 楓音)

 捕獲したのは、市有害鳥獣捕獲隊・緑捕獲班員の木曽勝己さん(40)=同市。今月11日の午後9時、倭文高の果樹園に仕掛けた箱わなが作動し、狩猟用無線機に信号が入った。

 翌日午前6時半に現地に着くと、見るからに巨大なイノシシがかかっていた。力の強さを物語るように、箱わなは設置した場所から10メートルほど移動。最後まで、わなの中で暴れていた。

 この果樹園では、ミカンの木が折られたり実を食べられたりする被害が10年ほど前から増え、木曽さんに相談。長らくわなを仕掛けており、捕獲を報告すると「助かりました」と一安心していたという。

 周辺では大きなイノシシの足跡が見つかっており、昨年はおりが壊されたことも。緑捕獲班長の足立昌憲さん(79)によると、田んぼのあぜを掘り起こされ用水路が詰まる-といった獣害は頻発しており、「捕獲班の活動で農家の被害を減らすことができてうれしい」と話す。

 木曽さんは酪農業をしており、育てている牧草を倒されるなどの被害に遭い、狩猟免許を取得。時間をやりくりしながら、捕獲にも取り組む。南あわじ市でも猟師の高齢化は深刻で、平均年齢は64歳。足立さんは「新しい人を育てて地域を守っていかないと。木曽さんにはこれからも頑張ってほしい」と期待を寄せた。

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 南あわじ市の近年のイノシシ捕獲数は、2022年度=2296頭▽23年度=2350頭▽24年度=1721頭▽25年度=1708頭-で推移。今年は9月末までで1801頭と、増加傾向にある。